君は好奇心を忘れてないか? ホーキング博士が教える「最高の快感」【ホーキング名言集(3)】

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2018/8/14

『ホーキング 未来を拓く101の言葉』(桝本誠二/KADOKAWA)

「歳をとれば、好奇心も枯れてくる」なんて言葉は、今の時代には当てはまらない。
 60歳や70歳から、好きな趣味を始めたり、また恋愛を始めたり、と。
 10代、20代に劣らない好奇心で楽しんでいる若老人がいる。
 特に戦後の荒波に揉まれた団塊世代は、いくつになってもパワフルだ。

 知り合いの70代の夫婦は、70歳になって、英会話を学び始めた。今では拙い英語ながら、バーで外国人とビールを酌み交わす中になっている。
 話を聞いてみると、「まだまだみていない世界があるから、見てみたいし、行ってみたいし、そんな文化を知って見たい」と笑う。
 英会話教室には、その夫婦だけではない。多くの団塊世代が、好奇心に目を輝かせ、学んでいる。
 なんてパワフルなんだ!

 というか、逆に好奇心のない若者が多すぎる!
 数年前のOECDの国際成人力調査(PIAAC)の調査に寄れば、ハタチの日本人の好奇心は、65歳のスウェーデン人とほぼほぼ同じという結果が出ている。
 ……、恐ろしい……。

 ホーキングは、そんな日本人の若者を叱咤するような言葉を遺している。

若者が好奇心を忘れず、
常にその理由を尋ね続けることは
非常に重要だ。

 好奇心は人を成長させる。特に子どもの頃は誰もが好奇心の塊だ。
 幼児を見てほしい。身の回り全てのものに興味を抱いているからこそ、大人にはないスピードで成長している。
 その一方で「生きがいがない」「どんなものにも興味がわかない」という好奇心を忘れた若者たちがいる。彼らは、本当に好奇心を忘れてしまったのだろうか。
 縛られた社会の中で、自ら捨ててしまったのかもしれない。

 自身でそう感じる人は、この言葉を手にしてほしい。
 ホーキングの好奇心は、晩年においても枯渇することはなかった。人類存続のための手段を考え、実行していたのだ。
 好奇心と疑問が相まった時に生まれるのが、「不思議」という感覚。この不思議を解明するために科学はある。彼は常に、好奇心と疑問の狭間にいたのだろう。
 あなたにも是非このような人生を歩んでもらいたい。

 さらに好奇心が、生み出すものは!

 それは、新しい発見だ。

 どんな分野においてもパイオニアとして新しい世界に飛び込むのは、未知なる怖さがあるだろう。
 しかし、その恐怖をも凌ぐ好奇心があれば、ワクワク感でいっぱいだ。ホーキングは、その先に本当の快感があるという。

若い人たちに、この答えを追求してほしい。
「今まで誰も知らなかったことを
発見した時の快感に勝るものはない」
ということを。

「ホーキング放射」と呼ばれる、ブラックホールからの熱的な放射を発見したホーキングは、どんな快感を味わったのだろうか。
 初めて月面着陸したニール・アームストロングがどんなことを思い、感じたのか。
 相対性理論を発見したアインシュタインは、その瞬間、どんな快感を覚えたのだろうか。

 それは、本人しかわからない。

 日本人で初めて宇宙に行った秋山豊寛氏、大リーグで活躍した野茂英雄投手など、パイオニアと言われる人は、例外なくこの快感を味わったのではないだろうか。
 史上初の体験や発見は、文字通り前例のないことを経験するわけだから、喜びもひとしおだっただろう。

 しかし、それまでの道のりは、決して平坦ではなく、苦悩も多かったに違いない。
 だからこそ成し遂げた時の快感は想像できないほど大きなものとなる。
 誰もが、パイオニアになれるわけではないだろうが、それを目指す気概を持ってほしい。

 人生100年時代と言われる昨今、好奇心は、若者だけの専売特許ではない。50歳になっても、80歳になっても好奇心があれば、毎日ワクワクしながら過ごせることだろう。
 しかし若者には、特に飽くなき好奇心を持って欲しい。
 好奇心旺盛な若者の行動を見ていれば、それだけで楽しくなる老人は少ないくないだろう。それどころか、「まだまだ若い者には負けぬわ」と老体に鞭打つ年配者まで出てくるに違いない。こんなワクワクが溢れる日本を見てみたいものだ。

「少年よ、好奇心を抱け!」
 これはクラーク博士の言葉ではなく、スティーヴン・ホーキングの思いだ。

文=桝本誠二