人気の「ユニクロ」と「ZARA」のアイテム、どう組み合わせればおしゃれ?

ビジネス

2018/8/19

『ユニクロ対ZARA』(齊藤孝浩/日本経済新聞出版社)

 わたしたちの生活に欠かせないもののひとつに衣服がある。ちょっと街まで買い物に出かけるとき、友人と少し遠くまで遊びに行くとき、気になる異性とデートに行くとき――TPOによって身につける服のブランドも変わってくるのではないだろうか。たとえば、友人とのお出かけの際には、ユニクロの落ち着いた色味のボトムにZARAの流行のテクスチャー入りのプリントシャツを合わせることもあるだろう。

 いまここで挙げた「ユニクロ」と「ZARA」という2つのファストファッションブランドにはいろいろな共通する点・異なる点がある。両ブランドともにSPA(※)である一方で、ユニクロはベーシック品質を極め、ZARAは最新トレンドの提供に磨きをかけるといった違いがある。

 本稿では、そんな似て非なるユニクロ(日本)とZARA(スペイン)の正体を『ユニクロ対ZARA』(齊藤孝浩/日本経済新聞出版社)に基づいて解き明かしてみよう。

(※SPA:自社で企画・製造した商品を自社店舗で直接消費者に販売するアパレル業)

■「パーツ」を提供するユニクロと「スタイル」を提供するZARA

 何でもそろうユニクロだが、多くの人はアウターからインナーまですべてのファッションアイテムをユニクロでそろえるということはしないだろう。また、よそ行きのスタイルから普段着、部屋着まですべてのスタイルをZARAで固めているという人も少ないはずだ。

 それはもちろんみなさんがTPOに合わせて着用するブランドを使い分けているからという理由もあるが、そもそもアパレルブランドの戦略が消費者にそうさせているとも考えることができる。

 ユニクロは「いつでも、どこでも、だれでも着られる、ファッション性のある高品質なベイシックカジュアルを市場最低価格で継続的に提供する」というブランドの方針のもと、さまざまなTPOに合わせて着ることのできるファッションの基礎部分、つまり「パーツ」提供に特化している。

 そしてZARAはというと、「百貨店クオリティのトレンドファッションを、高速回転、低価格で」消費者に提供することを念頭に置きつつ、主に働く女性を対象とした「職場など外で見られる」ファッションブランドとして展開しているのだ。

 こうした両社の方針を考えると、普段使いのニットや、肌着などはユニクロで、またジャケットやパンツはZARAのものを使っているという女性が多いのも納得だろう。

■「多色展開」のユニクロと「1色が基本」のZARA

 ユニクロのもうひとつの特徴といえば、バリエーション豊富なカラー展開である。今の時期、女性が手に取りやすいベーシックなトップスである「クルーネックT(半袖)」はホワイトやグレーといった控えめな色味からピンク、イエロー、グリーンなどコーデ全体の印象を決めるカラーまで、20色近い展開がある。

 その一方で、ZARAのカラー展開は基本的にはアイテムごと1色(1パターン)のみであるという。店舗でテーマ別コーナーに目をやっても、そこにあるのは黒や白といった基本色以外には特定のトレンドカラーを使ったアイテムがほとんどだ。

 なぜユニクロとZARAとではこのような違いが生まれてくるのだろうか。その理由は先に述べた「パーツ重視」と「スタイル重視」にもつながってくる。日本の企業はパーツとなる個々の「商品」を提案し、わたしたち消費者のコーディネートの選択肢を増やすために多色展開している。これに対して、ZARAなどのヨーロッパ企業はファッションを、ひとつのまとまりをもった「スタイル」として提供するために、不要なカラーはあえてつくらないのだという。つまり、カラーについての両社の違いは商品企画の考え方の違いに由来するのである。

 ここまで、ユニクロとZARAが消費者のチョイスに対してそれぞれ異なる方針でアプローチしている説明をしてきた。普段は何気なくスルーしてしまう各アパレルブランドの方針を意識してみると、わたしたち消費者の衣服の選び方も賢く変化し、より洗練されたコーディネートをより簡単に楽しめるようになるのではないだろうか。

文=ムラカミ ハヤト