「叱りすぎてしまう」「仕事を優先してしまう」 子育ての悩みを解消する「こども哲学」とは

出産・子育て

2018/8/25

『自信をもてる子が育つ こども哲学 -“考える力”を自然に引き出す』(川辺洋平/ワニブックス)

 今年度から道徳が教科化されたことは、多くの人がご存じだろう。この影響もあるのか、この数年で子ども向けあるいは親子向けの道徳の本や哲学の本を書店で見かけることが増えたように感じる。

 テレビ番組で取り上げられたり、有名小学校や私立中学校・高等学校で教科として導入されたりしている「こども哲学」の取り組み方や効果をまとめた『自信をもてる子が育つ こども哲学 -“考える力”を自然に引き出す』(川辺洋平/ワニブックス)は、「こども哲学」の実践で、親子ともに成長できるとしている。子どもは物事を深く考える態度が身につき、親は「わが子にすぐ手をあげてしまう」「子育てよりも仕事を優先してしまう」など子育ての悩みを解消できるという。

「こども哲学」とは、どういうものか。本書によると、対象年齢は言葉によって親子で哲学できる3歳から小学生の子どもと、その親。話し合う題材は、なんでもよい。親子で話したいことを話す。何について話そうかと考えるところから、こども哲学は始まっている。場所は問わない。

「それって、ただの親子での話し合いなのでは?」と思われるかもしれないが、基本的にはそのとおり。「話し合い」だ。しかし、一応のルールがある。

・ひとが話しているときはきく

・相手が考えているときは待つ

・自分の思ったことを言う

・ひとの嫌がることをしない

・何も言わなくてもいい

 そして、もう一つ重要なルールが、相手の意見にわからないところがあれば「どうしてそう思うの?」と質問すること。

 単に相手の話を聞いて、「みんな考え方が違って面白いね」と認めるだけに終わらないところが特徴となっている。

 相手の意見を認める“ふり”なら、忙しい仕事や家事の合間に聞き流しながらでもできる。しかし、わからないところを質問するためには、相手の意見に向き合い、考えの裏側にも思いをはせる必要がある。哲学には答えこそないが、自分の思いや考えが深まっていく。冒頭で「子育ての悩みを解消できる」と述べたが、本書は「理論ずくめだった子育ての方針が変わっていった」「子育ての指針を得た」「子どもとの関わり方へのヒントをもらった」など、子どもの考えに向き合うことで得られた実践者の声が豊富に掲載されている。

「こども哲学」という考え方・取り組みから、親子間の相互理解や相互成長の手がかりがきっと得られる。

文=ルートつつみ