セックスレスの夫が、会社を辞めて愛人の家に入り浸っていた…【岡野あつこが語る!実録結婚奇譚】

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更新日:2021/1/26

「結婚=幸せ」「離婚=不幸せ」という単純な図式にはあてはまらないのが夫婦問題。憧れの結婚をしてもブルーな毎日を送る人もいれば、悩んだ末に離婚をして次の幸せに向かえる人もいます。私、岡野あつこが実際に目撃した「男女の不思議な物語」をお届けします。

「セックスを断った妻の後悔」~K美さんのケース
夫が生活費を入れなくなっていった理由は…

 K美さんと元夫のM彦さんは学生時代に知り合い、K美さんは「最高の恋人ができた」と周囲もあきれるほどののろけっぷりでした。卒業と同時に結婚。共働きをすることにしたので、贅沢はできなくても楽しい結婚生活のスタートだったそうです。

 2人はそれぞれの給料の中から必要な生活費を出し合い、貯金をし、残った分を自分の小遣いとして使っていたのですが、結婚して半年後、生活費が足りなくなっているということがたびたび起こるようになったのです。

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 ちなみに、じつは二人は結婚前からセックスレスになっていましたが、K美さんは「付き合いが長くなれば当然のことよね」と思い込み、結婚後は何度かM彦さんからお誘いがあっても「仕事で疲れてそんな気になれない」とキッパリ断っていたと言います。

 生活費が足りない件で、不思議に思ったK美さんがM彦さんに聞くと、「小遣いが足りなくなったから生活費から借りただけだよ」とのこと。K美さんは「会社の人と飲みに行くことも仕事のうちだものね」と納得。自分の小遣いの中から、生活費を補充することもありました。

 ところがそれからしばらくすると、M彦さんはそれまでの半分ほどしか生活費を入れなくなってしまったのです。K美さんがM彦さんに訳をたずねたところ、「会社の業績が悪くなって収入が減ったんだよ。でも、そのうち元通りになるはずだから」と一点張り。そのときはK美さんもM彦さんを信じて「大変だろうけれど、がんばってね」と励ましましたが、それから3ヶ月たっても収入は元通りになるどころか、さらに減っていく一方。さすがに「そんなはずはない」と思ったK美さんは、M彦さんに内緒で夫の会社に電話をしてみたところ、「8か月前に退職なさったはずでは?」との返答が……。

■オレとI子とは体の相性も最高なんだよ…

 不審に思ったK美さんが興信所に依頼したところ、なんとM彦さんはK美さんと結婚する前から付き合っていた女性、I子さんの自宅に昼間から入り浸っていることが判明。I子さんとは、K美さんとの結婚が決まっても縁を切ることができず、そのままズルズルと関係を持ち続けていたのでした。さらには、8か月前には会社も辞めて、愛人の女性と二人で怪しげなインターネットビジネスに手を染めて借金をつくっていたこともわかり、K美さんは二重にショックを受けたと言います。

 その日、帰宅したM彦さんを問い詰めたところ、「お前がオレとの結婚を楽しみにしていることを知っていたから、どうしても言い出せなかった。でも、オレは最初からずっとI子のことだけを愛していたんだ。セックスが嫌いなお前にはわからないかもしれないけれど、オレとI子とは体の相性も最高なんだよ。いつかバレると思っていたけれど、これでスッキリした。ちょうど来年にはI子に子どもが生まれるから、別れるタイミングとしてもいいんじゃないかな」と離婚を切り出されてしまったのでした。

 結局、泣く泣く離婚をすることになったK美さん。「大好きな人と結婚できたことには後悔していないわ」と強がるK美さんでしたが、「あのとき、私が応じていればこんなことにはならなかったのかもしれない」とセックスレスだけは後悔していると言います。

文=citrus 結婚離婚カウンセラー 岡野あつこ