初対面の“出身地トーク”にもう困らない! 本当に役立つ“大人の地理力”

暮らし

2018/9/3

『モノの見方が変わる大人の地理力』(ワールド・リサーチ・ネット:編/青春出版社)

 あなたは、初対面の相手との会話が得意だろうか? 接待や合コンを盛り上げたいときや新しい環境に入るときなど、初対面の相手とうまく話さなくてはならない場はたくさんある。だが、初対面の会話は、お互いについて知っていることが少ないから、会話の糸口を見つけるのがむずかしい。

 こういうときの無難な話題といえば、「出身地ネタ」だろう。もし地元が同じならそれだけで親近感がわくし、相手の出身地のことをよく知っていたら、しばらく会話には困らない。反面、相手の出身地のことをよく知らなかったら…。なんとも言えない微妙な空気が流れてしまい、会話の勢いも削がれてしまう。

 この「出身地ネタ」の問題点は、当たり前だが“相手の出身地がわからないこと”だ。こちらから「ご出身はどちらですか?」と訊く以上、どんな答えでも話を広げられる用意はしておきたい。そんな悩みに役立つのが本書『モノの見方が変わる大人の地理力』(ワールド・リサーチ・ネット:編/青春出版社)だ。地名、名所、特産品などの切り口から、“実際に使える”地理知識が多数収録されている。その内容の一部を見てみよう。

■どうして新潟県は、日本で1番神社が多いのか?

 日本には8万を超える神社があるが、都道府県別で最も数が多いのは新潟県で、なんと5000社近くあるのだという。これは、意外に感じる人が多いのではないだろうか。なぜ新潟県に神社が多いのかというと、明治時代まで、新潟県の人口が最多だったから。人口が多ければ、村の数も増え、信仰の対象として神社の数も増える…というわけだ。

■天童市が将棋の駒の95%をつくるようになるまで

 山形県の天童市は、将棋の駒の95%をつくっている。その理由は、江戸末期、2万3000石の小藩だった天童藩が、武士の内職として駒づくりを推奨したからなのだとか。天童藩は、「将棋は戦略を練るものだから、武士の体面を傷つけない」という理由から、職人を招いて下級武士たちに駒づくりを広めた。

■そもそも伊賀はなぜ忍者の里になったのか

 三重県の伊賀市は、忍者の里として知られている。本書によれば、伊賀で忍者が生まれた理由は、大きく3つある。伊賀地方は、四方を山に囲まれており、昔から大きな権力が成立せず、小領主による割拠が続いていた。そのため、奇襲や諜報活動といった戦術が発達したのだという。それに加え、伊賀の地が農耕に不向きであったために、傭兵として出稼ぎに出ていたことや、周辺に修験道と関わりの深い霊山が多く、修験者らと交流があったことなども、忍者たちの技術を磨くことにつながった。

 本書には、このような調子で200以上の地理知識が載っている。そのため、これ1冊で初対面の“出身地トーク”には困らなくなるはずだ。よく知っているつもりの地域の話でも、「あれはこういうことだったのか!」という発見がたくさんあるから、純粋に読み物としても楽しめる。ぜひ、本書で“使える教養”を身に着けてほしい。

文=中川 凌