『キン肉マン』のギャグ超人・カレクックが大活躍!? 旧シリーズで不遇でも新シリーズでは大金星を挙げられるかも!!

マンガ

更新日:2018/9/4

『キン肉マン』(ゆでたまご/集英社)

 80年代、当時の小中学生を熱狂させた超人レスリング漫画『キン肉マン』(ゆでたまご/集英社)。1979年、『週刊少年ジャンプ』で連載が開始され1987年に一旦連載終了となったが、2011年から週プレNEWSのWEB連載として24年ぶりに新シリーズがスタートした。

 新シリーズでは、ロビンマスクやテリーマンといったレギュラークラスの超人だけでなく、旧シリーズでイマイチ出番が少なかった意外な超人たちも活躍し、ファンを大いに喜ばせている。

 第63巻は、地球襲撃に訪れたオメガ・ケンタウリの六鎗客と正義超人軍が交戦中。カレクックvs.マリキータマン、ウルフマンvs.ルナイトの2試合が掲載されている。

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 旧シリーズではどちらかといえばギャグ超人というポジションに収まっていたカレクックが、新シリーズでは世界三大残虐超人のひとりとして暴れまわる。頭にカレーライスを乗っけた超人を、あれだけカッコよく描けるのは作者のゆでたまごだけではないだろうか。「あれ、カレクックってこんなに強かったっけ?」と考えるのはまったくの野暮。少年漫画の設定変更はよくあることとわりきって、超人レスリングを素直に楽しんだ方が前向きだ。

 対するマリキータマンは飛行能力を有するテントウムシをモチーフにした超人で、空中殺法を得意とし、打撃・投げ技・関節技すべてをこなすオールラウンダー。コブラツイストとアームロックが複合したかのような得意技のコキネリツイスターは、バツグンのインパクトだ。

 試合中盤あたりから総合的に実力で勝るマリキータマンが押し気味となる。終盤、何度もダウンさせられながら立ち上がり、友情パワーの秘密を守りながら何とか勝機を見出そうとするカレクックの姿が感動を呼ぶはずだ。果たして満身創痍からの大逆転劇はあるのか!?

 ウルフマンvs.ルナイトは、体格差で勝るルナイトが試合を優位に進めていく。過去の惨敗を彷彿させる苦しい展開から形勢逆転を狙うウルフマンのルービックキューブ張り手が炸裂するシーンは、旧シリーズからのファンの胸を特に熱くさせるだろう。

 基本的にストーリーがわかりやすいため、新シリーズの途中の巻から読み始めても旧シリーズのファンであれば十分に楽しめるはずだ。

 なお9月4日には、64巻が発売される予定。こちらも要チェックだ。

文=望月祐作