「主婦力ゼロ」が、流行り家事を片っ端から試してわかった! “ほんとうに良い家事”とは?【やってみた】

暮らし

公開日:2018/9/2

『主婦力ゼロからのやってみた家事』(マルサイ/大和書房)

 今はSNSなどをきっかけに、料理・収納・洗濯といった、いわゆる“家事本”が花盛り。いざ試してみると、「あれっ、これ余計に面倒じゃない!?」「器用な人しかできないやつ!」と嘆いた経験も多いのではないでしょうか。そんな中、『主婦力ゼロからのやってみた家事』(マルサイ/大和書房)という、なんだかタイトルだけで共感が持てる本に出会いました。

 実家暮らしで全く主婦力がなかった著者が、結婚を機に「立派な主婦」を目指すべく、流行り家事を片っ端から試してみたものの、ほとんど挫折。でもこの経験から見えてきた“ほんとうに良かった家事”だけを厳選し紹介しているので、「これなら自分でも実践できそう」と思えるはずです。そこで、本書から料理、整理・収納、掃除について使えるワザを実践してみました。

≪料理編≫子どもも大人も同じ料理で食事タイムを楽しむ!

 特に幼稚園や小学校の子どもがいる家庭で問題になるのが「子ども用大人用献立」。
1食分を作るだけでも大変なのに、それをまたさらに細分化して2パターン作るなんて面倒すぎます。しかも、いわゆるお子さまメニューばかりでは、味覚が育たない上に、大人は食事そのものが楽しくなくなってしまいます。だから、あえて子ども用のおかずは用意せず、子どもも大人も楽しめる料理しか作りません。もしどうしても子どもが食べられなければ、「食べられるものだけ食べようね」というスタンスでいつつ、納豆や豆腐など、すぐに食べられるものを追加で用意します。

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例えば、からくないマーボー豆腐。

作り方

 サラダ油を熱したフライパンに、にんにく、しょうがのみじん切りを入れて、香りが出るまで炒める。豚ひき肉を色が変わるまで炒め、長ねぎのみじん切りも加えて炒める。鶏ガラスープの素、しょうゆ、砂糖、みそ、オイスターソース、水を合わせたものを加え、ひと煮立ちさせたら、ひと口大に切った豆腐を加えて炒め合わせ、水溶き片栗粉でとろみをつける。仕上げに、ごま油を回しかけ、万能ねぎを散らせば完成。

 マーボー豆腐と言えば、舌がしびれるような辛さが特徴の料理ですが、家族で楽しめるように、辛さはなくしました。とはいえ、とろみがあり、しっかりとした味つけなので、辛みがなくても大人でも十分満足できる一皿になりました。いつもは、辛くて自分だけマーボー豆腐を食べられなかった息子も、これは喜んで一緒に食べていました。

 料理編では、これ以外にも、火を使う料理は汁物とおかず1品だけにして、あとは火を使わず和える、のせるだけなどの簡単料理をたくさん並べた「ラクして品数を多く」見せる方法、盛りつけは中央を高くして、料亭風に見えるようにする方法など、“見せ方”にこだわったワザなどが紹介されています。

≪収納・整理編≫ぽいぽい収納なら子どもでもできる!

 雑誌やSNSなどでは、子ども部屋も、同じ白い箱1つ1つにラベリングがしてあり、使ったものは子どもが毎回きれいにそこに片づけています…というような事例紹介を目にします。確かに見た目はすっきりして、とてもきれいだったりします。これがきちんと続けられればいいのですが、実際はラベルとは違うものが入っていたり、子どもではなく大人が片づける羽目になったりと、結局のところ余計に手間がかかってしまったという話も。それなら「ぽいぽい収納」がおすすめ。口が広いかごにざっくり分けて入れるだけなので、これなら子ども自身でも簡単に片づけられます。達成感が得られ、「片づけ意識」が自然と芽生えることも。かごには取っ手がついていると、出し入れや持ち運びがしやすいので便利です。我が家は、プラレールがたくさんあるので、プラレール箱とそれ以外のおもちゃ箱に分けました。分け方がわかりやすかったので、息子もスムーズに片づけができました。

 そのほかには、ものの住所を決めることで、あれはどこに行った!? という行方不明をなくす方法、たまりやすい子どもの工作などは、リビング→寝室→本棚の上などの高所と移動して、視界から自然にフェードアウトし、最後は写真に収めて処分する方法など、思わず「なるほど!」と膝を打ちたくなるようなアイデアも。

≪掃除編.≫汚いと掃除が遠のくので、気づいたらいつも“ついで掃除”!

 家で生活している限り、掃除をしないとどんどん汚れはたまっていきますよね。それに気づかないふりをし続けると、カビだらけになったりして、結局あとで手間がかかって大変なことに…。それなら、汚れに気づきやすい水回りや床は、気づいた瞬間に“ついで掃除”をしましょう。例えば、シンクに掃除用スポンジを置いておき、夕食の洗い物が終わった最後に、茶渋や油膜といった気になる汚れをゴシゴシ“ついで掃除”するだけ。これを習慣づければ、結果的に常にきれいなシンクをキープすることができます。我が家では、シンク以外に、トイレ、風呂、コンロなどもついで掃除するようにしました。その結果、汚れが取れやすくなり、いつもきれいな状態なので、なんだか気持ちまで晴れやかに。これなら、今まで困っていた年末の大掃除も、かなり楽になりそうです。

 ほかには、浴室でカビが生えないように、徹底的に水気をふきとること、土日は家族団らんにあてるために、金曜日にしっかり掃除することなどが紹介されていて、明日からでも取り入れられそうな方法満載です。

無理なく楽しみながらできる、ときには手抜きも。これがほんとうの“良い家事”
私も影響を受けやすいので、世の中で流行ったいろいろな家事方法を試してみましたが、結局今も実践しているのは作り置きくらい…。それはきっと、その時はいい結果を生み出したとしても、続けるには面倒だったり、楽しくなかったりしたから。でも、今回実践した方法は、まず無理なところが全くなく、自然と取り入れやすい方法だったので、これならなんとか続けられそうな気がします。やっぱり家事をやるなら、無理なく楽しみながらやりたいもの。自分のペースで、時には手抜きしながら、気持ちにぴったり合った家事こそが、ほんとうの“良い家事”なんでしょうね。