「世界一受けたい授業」で話題沸騰! ホテルオークラのねぎベーゼソース

食・料理

公開日:2018/9/8

 ホテルオークラ元総料理長・根岸規雄と、妻で料理家の石原洋子夫妻のふだんのごはんを紹介する『夫はホテルオークラ元総料理長、妻は料理家 ふたりのごはん』(KADOKAWA)。
「世界一受けたい授業」(日本テレビ系列、9月1日OA)に根岸さんが出演してから、売り切れ店が出るほど本書が大反響となっている。

 食を極めたふたりの朝昼晩ごはん全50品を春夏秋冬の季節を追って撮影した本書は、出来上がり写真だけでなく、材料と作り方まで詳しく紹介し、読者も一流の味を家庭で作れると評判。なかでも、番組で紹介以来、根岸がオークラのシェフ時代に、長ネギの青い部分を捨てずに生かす料理として考案した「ねぎベーゼ」が話題沸騰中なのだ。

長ねぎの青い部分、にんにく、松の実、オリーブ油、うす口しょうゆ、塩、こしょう。*おろしたパルメザンチーズは「パスタねぎベーゼ」で使う。

 作り方は、まず長ねぎの青い部分をゆでて、ぬめりをよく取る(このひと手間でおいしくなる)。

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ぬめりは包丁の背で取り除く。

 これを塩を入れた湯でやわらかくなるまでゆでて水にさらして水気をきり、フードプロセッサーに入れてオリーブ油と一緒に攪拌。ほかの材料とうす口しょうゆを加えてさらに攪拌し、ピュレ状になったら塩、こしょうで味を調えて出来上がり。

瓶に入れ冷蔵庫で1週間ぐらい保存もできる。

 まさかの、残り物を活用したプロの味に、本を見て作った読者から質問も寄せられている。

Q材料のねぎの青い部分は冷凍保存できるか?
A「材料の、ねぎの青い部分を冷凍するとおいしいソースになりません。本にある200gの半分の100g(青ねぎ2、3本分)に、ほかの材料も半分にして作ってみてください。分量の比率があっていれば、少量ずつ作ってもおいしくできあがりますよ」(根岸)

Q攪拌はフードプロセッサーがないとできないか?
A「攪拌はフードプロセッサーか、なければバーミックスなどで行ってください。ムラなくなめらかに仕上げるためには必要な道具ですね」(根岸)

 ねぎベーゼはソースとしていろいろな料理に使えるが、おすすめは、まず「パスタねぎベーゼ」。バジルソースをからませたお馴染みのメニュー「パスタジェノベーゼ」を思い浮かべてほしい。

 テレビでは、根岸がスタジオで作り、試食してもらったところ、
「オークラで出していただけある味」「ジェノベーゼより好きな味」「ねぎが嫌いな人でも大丈夫」と出演者たちが絶賛。

ねぎベーゼにパルメザンチーズを加えて攪拌して作ったソースをたっぶりパスタに合わせる。

 パスタ以外にも、ホタテやえび、豚肉のソテーに添えてもおいしい。塩、こしょうだけのシンプルなソテーに緑あざやかなソースが映えて華やかになる。

 これからねぎの季節は、市販のバジルを買うよりねぎはずっとおトクだが、残り物を活用してワンランク上の料理にできるのもホテル生まれの味だから。
 時間のあるときに、挑戦してみる価値がありそうだ。

根岸規雄(ねぎしのりお)
1941年、埼玉県生まれ。東京YMCA国際ホテル専門学校卒業後、ホテルオークラ東京の料理人に。開業以来50年にわたり腕をふるい、第四代総料理長(2001~2009年)を務める。フランス農事功労章シュバリエ受章。現代の名工受章。学校法人北陸学園理事。著書は『ホテルオークラ総料理長の美食帖』(新潮新書)。