とにかく「無理しない」! ネットで出会い、恋愛感情ゼロのまま結婚した夫婦の生活

恋愛・結婚

2018/9/10

『ネットで会って30分で結婚を決めた話 無理しない婚(少年チャンピオン・コミックス・タップ!)』(れのれの/秋田書店)

 ネットで出会い、恋愛感情ゼロのまま結婚した夫婦の実録コミックエッセイ『ネットで会って30分で結婚を決めた話』で話題となった著者、れのれのさんの最新作『ネットで会って30分で結婚を決めた話 無理しない婚(少年チャンピオン・コミックス・タップ!)』(れのれの/秋田書店)を読んでみた。

「『無理しない』って一番難しくない? 別に無理したくてしてるわけじゃないし」とか、無理しない=生活のレベルを下げる、怠けてる、妥協する、諦める……というイメージだった私は、本作を読んで、驚いた。「これ……最高の結婚生活じゃん!」と。

 まず、れのれのさんが無理しない「理由」から。

 頑張り過ぎて体調を崩したり、ストレスを溜めて余裕がなくなると、他人に優しくできなかったりするからだ。「独身時代、毎日頑張っててイライラしていた」。だから、れのれのさんは「できる範囲でできることをやる」「頑張らない」スタンスに。

 また、こんな考え方もいい。

 現在れのれのさん。結婚して6年だが、子どもなし。

「子どもについてとか、周りから言われたりすると気になってしまったりするんですけど、れのさんは気にしないですよね」という担当さんの言葉に、「そりゃあね! だって私の人生私が主人公で私が神ですよ!」「一回の人生楽しいことしかしたくない!」と明言。とてもカッコイイジャイアニズムな気がする(笑)。

 とは言え、結婚したら「頑張らなくちゃいけない場面」もあるのでは……。家事分担、経済的なこと、価値観の違いなど、そういった「夫婦問題あるある」をどうやってクリアしているのだろうか?

 れのれのさんは専業主婦の傍らマンガを描いているので、家事は基本的に一人でやっている。旦那さんのお給料で生活しており、「節約しないけど過度な贅沢もしない」というざっくり方針。ケンカをしない理由は、お互いの趣味を尊重しているからではないか、とのこと。

 旦那さんはゲームが大好きなので、休日にゲームをする旦那さんの邪魔はしない。むしろ、「いかに快適にゲームをしてもらうか」の環境作りを心がけているとか。

 だがこんな風に、れのれのさんが書くと、読者から「私は一日中夫がゲームをしていることにイライラしてしまうのですが」と相談されることもあるそうだ。

 れのれのさんがゲーム大好きな旦那さんにイライラしないのは、「大事にされている実感があるから」であり、旦那さんがいつも、「料理おいしいね」とか「洗濯ありがとう!」とか、感謝の言葉を伝えることを忘れないからだという。

 ……と、一つ一つれのれのさん夫婦の「いいところ」を文字で書いていても伝わりづらいと思うので、結婚生活が「うまくいってる」詳細は本作を読んでいただくとして、一番心に響いた二人の考え方をご紹介しておきたい。

 私は今まで「ケンカしたことない夫婦なんていない。ケンカになってないのは、どっちかが我慢してるだけ」と思っていたのだが、れのれのさん夫婦は我慢しているわけではなく、さらにお互い「温厚な性格」というわけでもないのに、ケンカはゼロ。

 その理由は「一生側にいて欲しい人に対して、雑な対応なんてできないから」。これは旦那さんの言葉なのだが、れのれのさんも「(だから)感情的な言動で攻撃することもないしね!」と同意。「『一生一緒にいる相手』という認識を大切に」とのことだった。た、確かに……。参考にしたい……。

 少し真面目に書いてきたが、本作は4コマ形式のオタク夫婦の日常を描いたコミックエッセイなので、ラブラブな生活(本人たちに自覚はないらしい)に「うふふ」と微笑ましい気分になったり、自分もパートナーとの関係にこういう考え方を取り入れてみようと参考にしたり、気軽に、たくさん笑って読んでほしいと思う。

文=雨野裾