セックス強要に陰湿な暴力… 見栄っ張り夫に振り回された妻の苦悩【岡野あつこが語る!実録結婚奇譚】

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公開日:2018/9/12

「結婚=幸せ」「離婚=不幸せ」という単純な図式にはあてはまらないのが夫婦問題。憧れの結婚をしてもブルーな毎日を送る人もいれば、悩んだ末に離婚をして次の幸せに向かえる人もいます。私、岡野あつこが実際に目撃した「男女の不思議な物語」をお届けします。

「夫の本性を結婚前に見抜けなかった」~J子さんのケース
浮気がバレると逆切れ、暴力は日々エスカレートして…

 28歳の時に「授かり婚」をして、現在6歳と4歳の子育て中のJ子さん。5歳年上の夫のHさんとは婚活パーティで知り合いました。J子さんいわく、「お互いに『いいな』と思う相手とはカップル成立とはならなかったものの、帰り道でHに声をかけられたことから付き合うことになりました」。

 30歳を過ぎても貯金がゼロだったHさんのことを思いやり、「結婚式と披露宴はやらなくてもいいよ」と提案したというJ子さん。すると、「何、言ってんだ! ちゃんと披露宴をやって、職場の上司や友達を呼ぶもんだろう」と烈火のごとく怒ったHさん。J子さんは、そのあたりからすでに、気分屋で見栄っ張りなHさんの性格に気づきはじめていたと言います。

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 子どもが生まれてからも仕事を続けていたJ子さんでしたが、何を頼んでも家事や育児をまったく手伝おうとしないHさんにイライラは募るばかり。世の中は「イクメン」がブームになっていたこともあり、「ウチの夫だけがイクメンじゃないんだ。私だけが貧乏くじを引いてしまった……」と、まわりにもグチをこぼすこともできず、悶々とする日々でした。

■女子大生と浮気。挙句の果てに暴力まで…

 そうこうしているうちに、予定外に2人目の子どもを妊娠。出産の際、子育てをしない夫に子どもを預けていくのが心配だったJ子さんは、子どもを連れて1か月ほど実家に帰りました。ところが、なんとその間にHさんは会社のアルバイトの女子大生と浮気をしてしまったのです。

 1か月後、自宅に帰って浮気を知ったJ子さんは、夫を問い詰めたところ、まさかの逆ギレ。「最初から子どもなんて好きじゃなかった」「だいたい、オレの子かどうかもわからない」とJ子さんをののしりました。

「子どもを愛せないなんて、あなたとこのままやっていくのは、もう無理。別れたい」と申し出たJ子さんに対し、Hさんは意外なことを言いました。「そんなことは許さない。出て行ったりしたら、お前も子どももタダじゃすまないからな」と脅したのでした。「見栄っ張りな夫は、『自分の落ち度で離婚にいたった』と世間に後ろ指をさされることが許せなかったんです」とJ子さん。そして、その日からHさんのJ子さんに対する暴力がはじまったのでした。Hさんの暴力は極めて陰湿で、嫌がるJ子さんに無理やりセックスを迫るのは毎晩のこと、顔を見ればJ子さんが洋服を着れば見えなくなる部分だけを殴ったり蹴ったり、心と体にダメージを与え続けたと言います。

 ますます誰にも言えなくなって追い詰められたJ子さんを救ったのは、Hさんの義姉でした。「義姉は私より10歳年上なのですが、はじめて会った時から私にフレンドリーに接してくれた唯一の親戚。彼女と温泉旅行に行くことになり、更衣室で私の体中にあるアザに気がついた義姉のハッとした顔を見たら、涙が止まらなくなり、すべてを打ち明けることができたんです」とJ子さん。

「J子さん、今まで本当にごめんなさいね。『うちの弟に限って、そんなことはない』と言いたいけれど、あなたの体中のアザを見たら謝るしかないわ。私があなたの立場だったらとっくに離婚していると思う。本当に今までよく頑張ってくれたのね。後は私にまかせて」とHさんとの離婚の後押しをしてくれたのでした。

「私の場合は、幸いにも義姉が私の苦しみに気づき、離婚をサポートしてくれましたが、あのまま夫の家庭内暴力がエスカレートしていったことを想像すると、今でも足元から震えます。パートナーからの暴力がはじまった時は、1日でも早く専門家や家族に相談するのが大事だとわかりました」と語るJ子さんは、今、新たな人生の幸せに向かって歩きはじめています。

文=citrus 結婚離婚カウンセラー 岡野あつこ

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