結婚・出産後も続けられる職業とは? 女子が働きやすい職業をリアルに解説!

ビジネス

公開日:2018/9/11

『一生困らない 女子のための「手に職」図鑑』(華井由利奈/光文社)

 結婚や出産を機に女性の仕事は大きく変化していく。近年では共働き世帯も増加しており、「結婚後も働きたい」「結婚後も働いてほしい」と望む男女も多くなってきている。

 しかし、女性のライフスタイルは結婚や妊娠、出産を機に大きく変化しやすいため、どんな仕事に就いたらよいのか悩んでしまう人も少なくない。こうした悩みに救いの手を差し伸べてくれるのが『一生困らない 女子のための「手に職」図鑑』(華井由利奈/光文社)だ。

 華井氏は、今までに700人以上に取材を行ってきたライター。仕事と子育てを両立しようと奮闘している女性たちを間近で見てきた。そんな彼女が手がけた本書は、今の日本の仕事事情がたくさん詰まっている。全100種類もの職業を丁寧に解説した女子のための仕事図鑑は、家族と自分の笑顔を守る武器にもなってくれるだろう。

advertisement

■「手に職」の本当の意味とは?

 突然だが、女性に人気がある「パティシエ」や「フライトアテンダント」、「ウエディングプランナー」といった職業は離職率が高く、大勢の人が若いうちに退職しているということはご存じだろうか。特にパティシエは1年以内の離職率が70%と非常に高く、3年以内だと90%、10年以内だと99%にも上るといわれている。

 その理由は、仕事と家事や育児との両立が取りにくいためだ。核家族化が進み、男性の育児休暇取得率が低迷している現代では、好きな気持ちだけで仕事を続けていくことが厳しくなってきているため、手に職をつけて安定をしたいと考える方も増えてきている。資格が必要な看護師や教員、保育士といった仕事にこだわる方も少なくない。

 しかし、華井氏は、手に職がなくても実績やキャリアを付けていけば、雑貨カフェでの接客業や事務仕事も生涯できる仕事にできるのだと語っている。手に職をつけるのは、資格がなくても可能なのだ。

 だからこそ、世の中の女性は自分がこれまでに築きあげてきた経歴や経験を活かせるような職を探してみよう。なりたい職業が思い付かない場合は、ショッピングへ繰り出したときに足が止まる場所や商品と向き合ってみたり、日々の暮らしの中で自分が楽しいと感じたことを書きとめ、やりたいことを探していったりするのもおすすめだ。さまざまなライフスタイルの変化にも動じない仕事を見つけるにはまず、狭い視野での仕事探しを止めたほうが良さそうだ。

■自宅でできる職が知りたい!

 子どもが小さなうちは何かと手がかかるため、自宅で仕事をしたいと考える方も多いはず。本書は、そんな方にもぴったりな職を多数教えてくれる。

 たとえば、意外に再就職しやすく、女性の感性が求められているのが「建築士」だ。

 建築士は資格が必要ではあるが、近年では育児経験を活かしたユニバーサルデザインなどが求められることが多くなってきており、大型案件を受注している女性建築士が増えてきているのだそう。子育て中のママの気持ちに寄り添える建築士として、育休後から活躍の場を広げていける。

 そして、ファッションが好きでアパレル業界に興味がある方は、デザイン画をもとに洋服を製作するための型紙作りをする「パタンナー」を目指してみるのもよい。

 パタンナーはフリーランスとしても活躍していけるので、結婚や出産を機に独立をして、自宅で開業するのも手だ。ただし、フリーランスになる場合は安価な値段で受注しないよう、あらかじめ相場を調べ、自分の力量と照らし合わせながら価格を設定していこう。

 また、文章を書くことが好きな方は著者や筆者のようにライターとして、世の中に情報を発信していくのもよいだろう。

 クラウドソーシングサイトが普及している近年では、ライター業は未経験でも始めやすい職になっている。主だった実績がない頃は記事単価や文字単価が安くて割に合わないと感じられることも多いかもしれないが、根気よく書き続けていけば単価アップが見込めたり、大型案件と出会えるチャンスも得られたりする。「これだけは誰にも負けない」と思える分野がある方はその道の専門として活躍するのもおすすめなので、SNSなどをうまく活用しながら、セルフプロデュースも行っていってほしい。

 今の日本には、女性が窮屈に感じられる面がまだまだたくさんある。だが、「何か新しいことを始めたい」という気持ちを持ち、前向きな行動をしていけば、少しずつ生きやすい道が見つかっていくかもしれない。女性にとっても仕事は大切なものであるからこそ、無理なく続けられる天職を探してみよう。

文=古川諭香