ストレスから身を守りパフォーマンスを上げる! 忙しいビジネスマンこそ「自律神経マネジメント」

健康・美容

2018/9/14

『忙しいビジネスパーソンのための自律神経整え方BOOK』(原田 賢/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 自律神経とは、私たちの内臓諸臓器の機能を自律的に働かせるありがたい仕組みだが、その成り立ちは脳の発達よりも前であるだけに思い通りにならない。誤動作によって不調をも生むやっかいな仕組みでもある。

 その整え方こそ元気に働き続ける必須スキルと説くのが本書『忙しいビジネスパーソンのための自律神経整え方BOOK』(原田 賢/ディスカヴァー・トゥエンティワン)である。自律神経専門の整体院を営む原田賢氏は、過去に過度の労働から自律神経失調症となり、うつ病を病んだ経験をもつ。本書は著書の体験からなる実践ガイドなのだ。

 自律神経失調症の症状として、不眠、めまい・耳鳴り、胸が苦しい、動悸、冷え、汗、胸やけ、下痢・便秘、肩こり・腰痛、気候の変化に弱い、まぶしく感じる、のどの違和感、頭痛の13の症状が紹介されている。重篤な疾患かと医療機関を受診してもどこも悪くないなど経験済みの読者も多いことだろう。本書はこのような自律神経由来の不調を改善させる体と心の整え方を、姿勢、運動、食事、睡眠、考え方、の5つの分野に分けて紹介している。

・姿勢 
 悪い姿勢は筋肉をこわばらせ、さまざまな不調を引き起こすという。首のこわばりは頚椎を歪ませ神経を圧迫しその働きを弱めてしまうし、さらに胸へとつながる筋肉のこわばりは猫背から浅い呼吸を誘発し精神を緊張状態に陥れる。そして頭蓋骨を包む筋肉のこわばりは脳脊髄液の流れを乱す。正しい姿勢とは、お腹をへこませて真っ直ぐに立ち、下を向かずに、歯を食いしばらず、さらに胸式呼吸で深く大きな呼吸を心がけることだという。

・運動
 左右均等に一定のリズムを刻む有酸素運動は、正しい姿勢と同様に筋肉のこわばりや体のゆがみを正し自律神経の乱れを防ぐという。腕を振って大股で歩くウォーキング、自転車、水泳、ジョギングが良いということだ。また、オフィスやベッドでできるストレッチがイラストで紹介されている。

・食事
 食事は内臓の働きに直結し、食欲不振、下痢・便秘、疲れがとれない、冷え・ほてり、頻尿、不眠などをまねく原因になるという。胃は消化するときに水分を必要とし、1日2リットルは摂取すべきとのこと。塩分過多は腎臓を弱くし、血圧や造血ホルモン分泌に影響を与え、冷えやほてりなどにつながるという。すい臓と肝臓が弱れば消化吸収が乱れ、疲れがとれなくなるので、甘いものを避け低GI食品に切り替えることが推奨されている。

・睡眠
 休息は疲労感の有無ではなく意識的計画的にとるべきだという。決まった時間に起き太陽の光を浴びることは、幸せホルモンであるセロトニンや睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を促すという。良い睡眠へ必要な栄養素は、トリプトファン、ビタミンB6、炭水化物とのこと。就寝前1時間の過ごし方として、入浴後体温が下がる時間に横になり深呼吸、さらにおでこに手を当てると前頭葉の血流を活性化させよりリラックスするとのことだ。

・考え方
 楽しいことや好きなことを無理やりでも思えば脳は実体験と勘違いするらしい。完璧主義をやめる、悪いことだけを見ない、すべき思考をやめる、など心の習慣作りは必須とのことだ。

 生活改善を目的とする本書はどこを切り出しても容易に実行できそうなことばかりだ。ビジネススキルとしてぜひに身につけたい習慣だ。それはストレス社会から身を守る鎧であり、他のビジネススキルと併せて自分のパフォーマンスを最大限発揮させるための武器にもなるであろう。

文=八田智明