「よい姿勢=背筋を伸ばす」は間違い!? 「スマホネック」を読むだけで治す方法とは?

健康・美容

2018/10/8

『ねこ背は治る!』(小池義孝/自由国民社)

 パソコンやスマートフォンを操作するときは、無意識のうちに首が前に落ち、背中が丸くなった「ねこ背」になってしまいやすいもの。「スマホ猫背」や「スマホネック」という言葉も、すっかり普通の言葉になってしまっている。ねこ背が気になり、背筋をピンと伸ばしたよい姿勢を意識して作るのだけれど、いつの間にか元のねこ背に戻っている…。

 実をいえば、筆者もそんな経験を持つひとりだ。なかなか治らないねこ背に悩んでいる人に驚きの新事実を教えてくれるのが、『ねこ背は治る!』(小池義孝/自由国民社)だ。

 驚くべきポイントは、本書が「治療やトレーニングは必要なく、正しい知識を知るだけでねこ背が治ってしまう!」といっていること。著者は、一義流気功という名称で気功治療院を運営、セミナーなどをとおして大勢のねこ背を治してきた実績がある小池義孝氏。ここでは小池氏が紐解く、ねこ背を治すための知識の一端を紹介していこう。

■よい姿勢=背筋をピンと伸ばした姿勢は勘違い!?

 胸を張り、背筋をピンと伸ばして立った姿勢。

「よい姿勢とは?」と聞かれたとき、この姿勢を思い浮かべる人は多いだろう。しかし、著者の小池氏はこう指摘する。

胸を張って背筋を伸ばすのは、気持ちの良いものです。(中略)しかしだからと言って、長時間は持ちません。無理に上体を仰け反らせているので、次第に疲れてきます。気を抜いた瞬間に、元のねこ背に逆戻りです

 胸を張って、背筋をピンと伸ばした姿勢がよい姿勢というのは、一般常識ではあるけれど、一般常識=正しい知識ではなく、これはむしろ間違った知識だと著者は指摘する。では、どんな姿勢がよい姿勢なのだろうか?

 著者は、その答えを「骨が骨を自然と支えて立つ、無理のない姿勢」だという。背筋を無理に伸ばして強引に作るのではなく、自然にスッと背筋が伸びた姿勢。それが、立ったときも、座ったときも、よい姿勢なのだ。

 このよい姿勢を実現する、つまりよい姿勢の正しい知識を得るための方法はいたって簡単だ。

1.膝立ちになる
2.スネの太い骨に乗る意識で立つ
3.全身の力を抜く

 膝立ちの姿勢になったとき、重さは膝の一点で支えられている。このとき上半身と骨盤の重さは、太く、頑丈な大腿骨に乗り、それを左右の膝の一点で支えているので、変に傾いたり、曲がったりせず、背筋がきれいに伸びた姿勢を自然と楽に作ることができるのだという。これは人間の骨格上の特徴で、この段階でねこ背になってしまう人は、なんらかの治療が必要な可能性が高いという。これがよい姿勢を知るための第一歩だ。

 膝立ちの感覚のまま、よい姿勢で立つためのポイントは、スネの太い骨に乗ること。そうすることで骨(脛骨)が骨(大腿骨)を自然と支えて立つ状態になり、よい姿勢が実現する。スネには2本の骨があるが、細い方は太い骨のサポートぐらいに考え、太い骨にしっかりと乗ることが大切だ。このとき、足裏の重心は土踏まずの後方になり、つま先を少し内側に絞るイメージになるという。

 スネの太い骨に乗れたら、全身の力を思い切って抜いていく。このとき、背筋が自然とスッと伸びていれば、あなたはよい姿勢で立てているはずだ。

 実際にこうした意識で立ってみると、無理に胸を張り、自分から力を入れて背筋を伸ばした姿勢との違いを実感できる。力を抜くのが意外にむずかしいが、立つこと自体は簡単なので、誰でも無理なくよい姿勢で立つことができるのではないだろうか。ねこ背が治ると、見た目がすっきりと美しくなるだけでなく、肩こりや腰痛が軽減されたり、精神的に前向きになるなどの効果も期待できる。ねこ背が気になっている方は、ぜひ一度チャレンジしてもらいたい。

 本書では「ねこ背の治し方」のほかに「呼吸の深さ」「腕力の強さ」「歩くスピード」を治すための正しい知識が解説されている。たとえば腕力の場合、腕の付け根をどこで意識するかによって、発揮される力の大きさや動作の美しさが大きく変化するという。これも特別なトレーニングや治療は必要なく、正しい知識を得て、それを実践できるようにしていくだけだ。体が動くメカニズムを知り、正しく動かしていくことで、動作や姿勢は確実に質の高いものになっていくという。日々の生活を美しく、快適に過ごしたいと考えている方に役立ててもらいたい。

文=井上淳