「成功体験」を捨てれば、ビジネスから恋愛まで全て上手くいく!?
公開日:2018/9/27
やましたひでこ氏が提唱した片づけ術「断捨離(だんしゃり)」がブームになったのを機に、“捨てる技術”が注目されるようになった。では、「もっともっと自分らしく生きたい」、「心機一転、転職して輝きたい」など、人生に新たなステージを開幕させたいときは何を捨てたらいいのか?
そんな問いに意外にも、「うまくいったやり方から捨てなさい」「“もったいないもの”は真っ先に捨てなさい」とアドバイスするのが、『うまくいったやり方から捨てなさい』(サンマーク出版)の著者、実業家・コンサルタントの椎原崇氏だ。
1981年生まれの椎原氏のこれまでのキャリアはじつにユニークだ。中卒後、パチプロとして身を立て、稼いだ資金で起業し、20代にしてセミリタイア生活も経験。その間に、「成功」と「心の幸せ」の法則を発見し、現在は、個人も対象としたコンサルタント活動を通して「自分の魅力を自覚して自由に生きる方法」を伝えている。
本書はそんな椎原氏が明かす、「捨てる」「(本当に)ほしいものを見つける」「自分らしさを武器にする」「とことん受け取る」という、ビジネスから恋愛まで、幸せに人生を歩んでいる人たちが共通して実践する4つのステップが明かされている。
■成功体験やもったいないものから捨てていこう!
「人はどんなどん底にいようといつでも成長をしている」という著者。そしてその成長のステップでは、さなぎが蝶になり自由に花々を飛び回るようになるほど、“劇的な成長”もできると記す。そんな「ステージを変えてしまうほどの成長」をしたいとき必要なことを、著者はこう教えてくれる。
「なるべく身軽であることです。〇〇でなきゃ、という固定観念や〇〇はこうだ、というジャッジを自分のお荷物にしないこと」
「これまでの成功体験や当たり前、が鎮座しているあなたのなかに、『新しいやり方』『新しい考え方』の居場所を作ること」
自分がうまくいったやり方(成功体験)は、そのステージではたしかにフィットしたものかもしれない。しかし、新たなステージにおいては、次のステージにフィットしたやり方、考え方が必要となる。それを取り入れるために、過去を捨てる必要があるわけだ。
さらに、「もったいないもの」も積極的に捨てていくことを著者は勧める。
・今までやって来た仕事を辞めるのはもったいない
・こんな条件のいい彼氏を捨てるのはもったいない
・今まで築いた人脈やスキルを捨てるのはもったいない
・せっかく取得した資格を使わないのはもったいない
etc.
人によっていろんな「もったいない」があるだろうが、こうした際に著者は、「もったいない」と思った段階でそれはその人にとって「本当に大切なものではなく、損したくないもの」なのだと指摘する。つまり「もったいない」にとらわれてしまうことで「本当に大切なもの」を遠ざけてしまうのだ。そして著者は、こう記す。
「あなたをここまで連れてきたものが、あなたをあそこ(新たなステージ)まで連れて行ってくれることはありません。今までの自分を手放したあなたが、想像もできないところへあなた自身を連れていってくれるのです」
■「親の期待」との葛藤なども解決させて心を軽くする
しかしいきなり成功体験を捨てることは簡単ではない。そのため本書では、小さなことから捨てていく(代わりに新しいものを受け取る)練習方法などもさまざまに紹介されている。また、人によっては自分の人生と「親の期待」のギャップに悩む人もいるだろう。
著者自身も中卒で現在に至るその経緯から、常に「親の期待」に対する申し訳なさが心の中にあったという。最終的にシンプルではあるが「真摯に親と向き合い話すこと」で心の曇りが解消し、より成長することができたそうだ。
他にも「みんなに好かれたい」や「完璧主義」を捨てる他、「自分らしさを武器にしている人の共通項」など、新たなステージでより輝くための実践的なアドバイスが満載の本書。
最後に記された「秘密の法則 人生のバイオリズムをつくる6つの『しんか』」では、人生のステージを「進化→辛化→深化→真化→新化→神化」のサイクルで示す著者。このくだりはとても秀逸なので、ぜひとも本書でその秘密を学んでもらい、あなたの人生に新たに幕開けする次のステージを楽しんでみてはいかがだろうか。
文=町田光