「作り置き」の魅力は、時短や節約だけじゃない! “置く”ことでより美味しくなるレシピ

食・料理

2018/10/1

『しみこむ作り置き』(スガ/セブン&アイ出版)

 今やすっかり定着し、多くの人が実践している「作り置き」。時短、節約、効率アップなど様々な利点があり、書籍も数えきれないくらい出版されている。しかし『しみこむ作り置き』(スガ/セブン&アイ出版)によると、作り置きの利点はそれだけではなく、「料理が美味しくなるところ」にあるという。作った料理を寝かせることで調味料がなじみ、角のない、一体感のある味になるのだ。

 本書では、この「美味しくなる」というポイントに焦点をあてた作り置きレシピを紹介している。まとめて作ることで翌日にはさらに美味しい料理が食べられるなんて、これを実践しない手はない。そこで、実際に作って試してみた。

■「鶏マヨ」(P.34~P.35)

【保存期間】冷凍:1ヶ月/冷蔵:5日

 1つめは、中華料理の定番エビマヨを家庭向けに安価な鶏肉で作った「鶏マヨ」。鶏むね肉を一口大のそぎ切りにして塩をふり、ビニール袋に片栗粉とともに入れてまぶす。サラダ油を引いたフライパンに並べて両面こんがりと焼き、マヨネーズ、ヨーグルト、ケチャップ、砂糖、レモン汁を混ぜたものを加えて煮詰めれば完成。保存する場合は、冷ましてからジップロック等の容器に入れる。

 しっかりと煮詰めることで、混ぜ合わせた調味料が1つのタレとしてまとまった味に進化する。また、片栗粉が肉のうまみをしっかりと閉じ込めてくれるため、作り置きしても固くならず美味しく食べられるのも嬉しい。当日は香ばしさを、翌日以降は衣とタレがより一体となった作り置きならではの味わいを楽しめる。これはぜひリピートしたい一品。

■「豚肉の根菜汁」(P.56~P.57)

【保存期間】冷凍:1ヶ月/冷蔵:5日

 2つめは、食材のうまみがたっぷり詰まった「豚肉の根菜汁」。皮をむいて食べやすく切った里芋、皮つきのまま斜め切りにしたごぼう、いちょう切りにした人参と大根、適当なサイズに切った豚バラ肉を鍋に入れ、酒と水を入れて煮る。火が通ったら長ネギを加えて5分ほど煮て、塩と醤油で味を調えれば完成。保存する場合は、「鶏マヨ」同様冷ましてからジップロック等の容器に入れる。

 出汁は特に使わず、肉と野菜から出る出汁と醤油、塩のみのシンプルな味付けだが、肉も野菜もたっぷり入っているので物足りなさはまったく感じない。ごぼうの味と香りがしっかりと効いていて、ごぼうの優秀さを改めて感じる一品。作り置きにすると、里芋にもしっかりと味が染み込み、味全体がよりなじんで完成度が格段にアップする。一度にたくさん作って冷凍しておけば、毎日の野菜不足解消にもつながる。

「作り置き」という時短、効率化を目的とした調理法が料理をより昇華させてくれるこの『しみこむ作り置き』は、まさに一石二鳥。「手を抜きたくない」「美味しい状態で食べてほしい」と作り置きを避けていた人も、これなら後ろめたさを感じずに実践できるのではなかろうか。まだまだ新しい発見がありそうな「作り置き」。ぜひとも本書で、ワンランク上の作り置きを極めてみては? きっと、家族にも喜んでもらえるはずだ。

調理・文=つきのんキッチン