「ちゃんとして」「早くして」では伝わらない!? 子どものやる気を伸ばす叱り方

出産・子育て

公開日:2018/9/30

『一人でできる子になる「テキトー母さん」流 子育てのコツ』(立石美津子:著、あべゆみこ:画/日本実業出版社)

「食べ方が汚い」「いつももたもたしている」「勉強も運動もダメ…」など、子どもに関して様々な悩み事を抱えているお母さん・お父さんも多いことだろう。

『一人でできる子になる「テキトー母さん」流 子育てのコツ』(立石美津子:著、あべゆみこ:画/日本実業出版社)は、子どもの心に届く“伝え方”や子どもを“自分から学ぼうとする子”に育てるためのクセのつけ方、親御さんの悩みを根っこから解決してくれるようなアドバイスがたっぷり詰まった子育てのノウハウ本だ。

 以下、本書の一部をのぞいてみよう。

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■幼い子どもは「ちゃんとして!」ではちゃんとできない

 みなさんは子どもを叱るとき、「ちゃんとしなさい!」と言ってはいないだろうか。この何にでも使える𠮟り文句をただ子どもにぶつけるだけでは、ほとんどの場合子どもは「ちゃんと」してくれない。

 本書によれば、子どもにちゃんとしてほしいときには、具体的に何をしてほしいのかをはっきりさせて言うことが大切なのだという。テレビを見ながら片づけをしていて、片付けがなかなか進まないのなら「ちゃんとしなさい」ではなく、「お片づけはテレビを消してするんだよ」と𠮟ってあげるのがよい。そうすることで子どもは自分のやるべきことを認識でき、実行にも移しやすくなるのだとか。

「ちゃんとしなさい」とあわせて、「早くしなさい」、「しっかりしなさい」、「いい加減にしなさい」、「お行儀よくしなさい」は何をすればよいかがはっきり伝わらない言葉ベスト5なのだそうだ。

■うちの子、何をやってもダメで…―ほめるところはどうやって探す?

 勉強をさせても、運動面でも、楽器を習わせても、うちの子はいまいちパッとしない。そんな悩みをもつお母さん・お父さんが少なからずいらっしゃるかもしれない。そんなときは視点を変えて子どもを観察してみるのがポイントだという。

 たとえば、算数のテストのできがいつも悪いお子さんがいるとしよう。テスト用紙はバツばかりでも、次第に字が上手になってきているかもしれない。テストの点数は絶望的だと心の中では思っても、「あれ、○○くん。前よりも字が上手になったね!」と満面の笑みでほめてあげるとよい。字が上手だと褒められれば、子どものほうも「もっと字を書きたい」と思い、お勉強をするのに積極的になるかもしれない。

 また、走るのが遅くても、器械体操なら上手にできるかもしれない。「前回りが上手だね」とか「跳び箱運動が上手だって学校の先生から聞いたよ!」とか、とにかく視点をずらしてほめてみよう。

 子どもには一人ひとり素敵な個性が備わっている。その個性を大きくなってから最大限に発揮させるためにも「子育て」は重要だ。だからといって子育てノウハウを伝授する本をそっくりそのままマネしてしまうと、「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」とお母さん・お父さんが疲れてしまうことだってある。だから、本書に示してある子育ての方法を各ご家庭でアレンジしながら、子どもたちひとりひとりに合った育て方やしつけ方を実践してもらえればいいのではないだろうか。

文=ムラカミ ハヤト