読み逃し厳禁な水着回も!? 今いちばんキテるWEBマンガ『先輩がうざい後輩の話』2巻!

マンガ

更新日:2018/10/9

『先輩がうざい後輩の話』(しろまんた/一迅社)

 Twitter投稿から人気となり書籍化決定、そして「次にくるマンガ大賞 2018」WEBマンガ部門で1位受賞と、現在大注目を集めるのが『先輩がうざい後輩の話』(しろまんた/一迅社)。見るからにちんまいOL・五十嵐ちゃんと、その先輩でがさつ&無神経な武田の関係を描いた、ラブコメ……に至る以前の“うざコメ”作品だ!

 五十嵐を子供扱いし、ガハハハと笑いながら頭をグリグリと撫で回したり、小脇に抱えて運搬したりと、第2巻でも傍若無人な無神経さを繰り出す武田。例えば表紙イラストを見てもらえば、どんな扱いの“雑さ”なのかも伝わるだろう。

 その一方で五十嵐ちゃんの方では、勇気を振り絞ってバレンタインにチョコを渡したりもするのだが、持ち前のツンギレ精神を発揮し「作りすぎたので!」などと言うせいで、そのまま受け取られ「なら一緒に食おうぜ?」と返されてしまう。

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 この、読んでいて「うあああああああもう!」と脳みそを直接掻きむしりたくなる甘ったるさ、もどかしさこそが本書のキモと思われるのだが、第2巻では武田・五十嵐だけではなく同僚である風間、桜井のふたりの間も何やら急激に接近し始め、より脳みそが痒くなるのであった。

 読者と同様に、作中でも武田と五十嵐ちゃんは絶好の監視対象となっているようで、例えば前述の先輩OL・桜井さんは何かといえばふたりを写メで激写しLINE(っぽい何か)で周囲に情報提供しまくるし、風間はデリカシーゼロな武田をこまめにフォローしアドバイスを送る。名もなき同僚たちもやんわりとふたりを見守っているようで、飲み会になると武田にそれとなく五十嵐ちゃんの話を振っては、帰ってくる鈍感ぶりMAXな返答に大きなため息をついていた。

 また五十嵐ちゃんの学生時代からの友人夏美も、なにかと介入を試みてくるようになり、このお節介が元で衝撃のイベント「五十嵐ちゃん宅で飲みビデオデート」が発生! そこで五十嵐ちゃんの本音ものぞかせ、微妙ではあるものの着実に武田との距離が縮まっていることを感じさせられる。

 この夏美さんは、風間・桜井の間を縮める役割も(間接的ながら)担っているようで、今後は登場すれば場が動く重要なプレイヤーと化しそうだ。なお桜井さん、夏美さん共に巨乳の持ち主なので、ふたりを見る五十嵐ちゃんの目…それを指摘してはいけない。触れてはぶん殴られる武田先輩と同じになってしまうだろう。

 次にくる、というか既にブレイクしている感もあるが、WEB部門大賞というだけに本作はTwitter&無料コミックサイト「comic POOL」で連載中。WEB公開の最新話のその後が、単行本第2巻には描き下ろし収録されている。

 この新編は40ページとなかなかのボリュームで、更にはWEBで追っているファンなら読み逃し厳禁な水着回。とくに桜井さんの動きに注目していただきたいが、当然ながら我らが武田と五十嵐ちゃんも、例のごとくツンツンうざうざといちゃついてくれている。単なるWEB版再録に終わらせない、電子と紙の理想的な補完関係となるようなこの描き下ろしは、今後のWEBコミックの主流となっていきそうだ。

文=佐藤圭亮