外で「イヤイヤ期」が大爆発したら……“あるある”満載で共感しきりのイヤイヤ期絵本。街の仲間のまさかの神対応とは!?

出産・子育て

2018/10/1


 子どもを持つ家庭が避けては通れない道、それがイヤイヤ期! 大切な成長過程だとわかっていながら、おうちの人はやっぱり大変。特に、外出中はできるだけ「イヤだ!」が出ないように気を配りますが、そんな気づかいもむなしく、その時は突然やってくるのです…。

『イヤイヤ!ブブタのパンやでイヤイヤ!』(たかいよしかず:作・絵/主婦の友社)は、“イヤイヤブブタ”シリーズの最新作。前作『いるよね~!こんなこ』『いるよね~!ねないこ』『トイレなんてだいっきらい!』をご存じの方もいるのではないでしょうか。本書は、育児雑誌『Baby-mo』読者アンケートのイヤイヤ期に関するお悩みの中で、特に声の多かった「公共の場で泣きわめかれたとき」「なんでも自分で!が、過ぎるとき」のエピソードを膨らませたもの。公共の場で大泣きしてしまい、孤立しがちなママやイヤイヤ期の子どもたちを応援したい! という気持ちから生まれた絵本です。


 物語は、ブブタがママといっしょに、大好きなあんパンを買いに出かけるところから始まります。はりきってトングを持ったブブタ。「じぶんで!」とパンを取ろうとしたら…大変! 落ちちゃった! 「やっぱり ママが とるね」と声を掛けると、「イ、イヤッ、イヤダー!」の大爆発。すると、ここで意外な展開! その声を聞きつけた街の人たちがブブタのところへ、「イヤイヤブーブー、イヤブーブー!」と歌い、踊りながら集まってきました。体をフリフリ、とても楽しそうに! そしてブブタの気持ちに寄りそい、笑顔でこう言うのです。「じぶんで やって みたかったんだよね」「ママと いっしょに やってみましょう!」「きっと こんどは だいじょうぶ!」。納得したブブタは、ママといっしょに上手にパンを取ることができて、満足そうな顔つきです。

 街の人たちが出てきたところで、筆者は一瞬、ブブタと同じようにポッカーンとしてしまいました。どうして街の人たちが…? でも、その後の声がけを聞いて納得。その後に感動がやってきました。街の人たちはイヤイヤ期のブブタや支えるママの味方で、応援するためにやってきてくれたのですね。みんなが見守ってくれていると思えば、ブブタがイヤだー!と大爆発しても安心です。

 街の人たちの声がけを聞いていると、まずは子どもの「やりたい!」という気持ちを尊重し、どうやったらうまくいくのかを教えてあげて、応援してあげるといいんだな、ということにも気づかされました。ブブタもうれしかったことでしょう。


 本書を、筆者の2歳になりたての息子に読み聞かせたところ、2~3回読んだだけで、すでに「イヤイヤブーブー!」と言いながら本を持ってきておねだりするようになり、お気に入り本棚の中の一冊になるまでに2日とかかりませんでした。いちばん好きなページは「イヤイヤブーブー、イヤブーブー」と歌っているところ。話を進めても「もういっかい」とページを戻してしまいます。だから我が家では、読み聞かせの途中で火がついたら、本を一度閉じ、親子でイヤイヤブーブーのダンス大会をするのが恒例となりました。

「イヤダー!」とブブタが叫ぶページも、言葉と絵がわかりやすいのか、気に入っています。ブブタは大爆発しているというのに、息子は大きな声でマネをしながらキャッキャと爆笑。「ブブタも僕と同じだね」とでも言いたげに、ブブタを指差すこともあります。ブブタは、パンを落としてムスッとしている顔、プンプンしながら怒る顔など、とてもかわいらしく、親としても「全力でイヤダー!をしている姿がうちのにそっくり」と、親バカながら我が子を重ね合わせては、愛着が湧いてきています。

 また、パン屋にはおいしそうなパンがズラリと並んでいて、パン大好きな子どもたちに喜ばれること請け合い! クリームパンやカレーパンなど、どのパンがいちばん好きか、パン屋さんでお買物している気分でページをめくるのも楽しそうです。今度子どもがイヤイヤと言い出したら、「街の人たちが応援しているよ!」「ブブタはママといっしょにできたよね」と話しかけ、この本といっしょに少しでも楽しくイヤイヤ期を乗り切りたい、そんなふうに感じる一冊でした。

文—吉田有希