ヒグチユウコのイラストが「穴」になって表紙を飾る? 『デザインのひきだし35』が永久保存版

文芸・カルチャー

2018/10/10

『デザインのひきだし35』(グラフィック社)

 最近はすっかり電子書籍で本を読むことが増えたが、やっぱりときどき紙の本を手にしたときの感触には心踊る。ずっしりとした単行本の重みはもちろん、表紙によって触り心地が違う。ザラザラしたものもあれば、つるっとしたもの、凸凹や光沢があるもの。本だけではない。普段何気なく使うノートなど紙製品はどれも、素晴らしい技術の上で成り立っている。

 そんな隠れた紙の加工技術についての知識が徹底的に詰まった特集を、10月10日発売の『デザインのひきだし35』で読むことができる。

 グラフィック社が出している、デザイン・印刷・紙・加工の実践雑誌である『デザインのひきだし』。その内容はもちろんのこと、毎号こだわりぬかれたデザインや存在感のある装丁が話題となる雑誌だ。

 そんな本誌の35号目は、「紙の加工徹底攻略ガイド」と題し、国内外に熱狂的なファンを持つ画家・ヒグチユウコさんのイラストが重厚なデザインの表紙を飾る。そのインパクトにまず驚くが、実はそのイラストが「印刷」ではなく「穴」だというからさらに驚く。

 紙の加工の知識についてまとめられているだけではなく、実際に手で触れて感じることができる一冊だ。また、この号から、ヒグチユウコさんが作品の中に描き入れている手描き文字(通称ヒグミン(ヒグチ明朝))をAdobeでフォント化する試み「ヒグミン・プロジェクト」の連載も開始。

 ちなみに、表紙の左上にもヒグミンが。ヒグチユウコさんのひとつめちゃんが表紙の『デザインのひきだし35』は、紙に携わるプロが参考にするのはもちろん、普段何気なく使っている紙について知ることができる入門編としてもいいだろう。その見た目からして永久保存版になる予感のする一冊だ。

文=園田菜々