知られざる「虎」の話がここに!

小説・エッセイ

2012/3/31

知謀の虎――猛将加藤清正

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 祥伝社
ジャンル: 購入元:電子文庫パブリ
著者名:豊田有恒 価格:464円

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突然ですが、あなたの好きな戦国武将はなんですか?
不動の人気を誇るのは、恐らく織田信長かと思います。今ではゲームや漫画の影響などで、伊達政宗や真田幸村、石田三成に長宗我部元親…と、さまざまな武将が人気です。

今回私がオススメするのは、『モンゴルの残光』の著者でもある豊田有恒(とよたありつね)氏の『知謀の虎―猛将加藤清正』です。

本作は歴史・戦国武将好きならきっと好きな武将ワースト10以内に入るであろう、伝説多き1人の武将・加藤清正の、あまり表に出なかった話を色濃く描いている1冊。私の思い浮かぶ加藤清正という人物は「猛将で、片刃の折れた大きな槍を持っていて、長い帽子のようなかぶとをかぶっている、ヒゲの長い人で、熊本城建てたすごい人」というイメージ。しかし本作では、その一般的(私の意見は一般に含まれるか心配ですが)イメージを覆す内容となっています。

一部を抜粋すると「本当は背が低く、戦上手ではなく、槍ではなく銃を使い、いざ戦になると小姓たちを盾として使い武功を立てていた」――私の想像していた清正公ではない清正公がこの本の中で生きているッ…! 読んですぐにビビッと雷が落ちました。

お話は清正の生い立ちから始まり、早々に文禄元年(1592年)からの始まった朝鮮出兵までのことをサクッと描かれています。本作最大のメインは、朝鮮出兵について。名前は知っていても、日本軍がどう動きどこまで進行していたのか、私は知りませんでした。しかし本作を読んで、加藤清正軍の動向、周囲の背景等々――知らなかったことが詳しく、しっかりと記されています。名前だけしか知らなかった戦いが、まるで映画のように脳裏で鮮明に映像化されました。

個人的に気に入っているのは「第六章 猛虎伝説」。このお話は虎退治をした清正のことが書かれています。皆さんが知っている虎退治は、清正公が勇ましく槍を手に一人で猛虎を退治をした、というエピソードではないでしょうか。そのお話を信じている方、ぜひこれを読んで現実的に考え直してみてください。私は夢の世界から引き戻されました。読んだ瞬間「あっ、そうか!」となります。

歴史が好きな方、当時の時代背景を鮮明に知りたい方にぜひとも読んでほしい。本当の姿の「加藤清正」をぜひ、堪能し味わってください!


目次。個人的に「第六章 猛虎伝説」のお話はオススメです!

プロローグ。韓国に造詣が深い著者。流暢に韓国語を使いこなしている

第一章の前半は清正の幼少期のお話。幼少時代は「夜叉丸」という名前だった

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