ロシア人の6割は別荘を持っている! お金がなくても豊かになる暮らしの知恵とは?

暮らし

2018/11/7

『おいしい料理は、すべて旅から教わった』(荻野恭子/KADOKAWA)

 料理研究家の荻野恭子さんは、64歳になる現在まで、ユーラシア大陸を中心に世界60カ国を旅して、現地の主婦にその国独自の料理を教えてもらってきた。持ち帰ったレシピは、日本の材料で作れるように再構築し、荻野さんの料理教室や書籍などで紹介している。

 そんな荻野さんの旅先での体験をまとめたエッセイ本が『おいしい料理は、すべて旅から教わった』(荻野恭子/KADOKAWA)である。本の中では、決して豊かとは言えない環境を生き抜くための暮らしの知恵がたくさん紹介されている。特にロシア人の暮らしの知恵には学ぶことがたくさんあったという。本稿では本の中でも紹介されているエピソードの一部を紹介しよう。

■ロシア人の暮らしの知恵(1)
6割が別荘「ダーチャ」を持ち、自分で食べる野菜を育てている

 ロシア人の6割は、自宅のほかに「ダーチャ」と呼ばれる菜園つき別荘を持っているそう。

 別荘というと、裕福な人を想像しがちだが、ロシア人の平均年収は日本の1/3~1/4程度。それなのに多くの人が別荘を持っているのは、ソビエト時代の政策で、国民に土地を与えて自給自足を奨励し、「自分の暮らしは自分で守る」よう促したからといわれている。

 そのため、ロシア人の多くは、家庭菜園を楽しみ、ベリー摘みやきのこ狩りをして、自分で食べるものを自分でとることを楽しんでいるそう。

■ロシア人の暮らしの知恵(2)ダーチャで取れた野菜や、果物を保存食にして、長く楽しむ

 別荘「ダーチャ」の周りには森や川や湖が広がり、そこで釣りやきのこ狩り、ベリー摘みを楽しめるのだという。

 冬の寒さが厳しいロシアでは、ダーチャの庭でとれた野菜や、きのこ、ベリーは保存食にして長く楽しめるようにしている人が多いそうだ。野菜は塩漬けや甘酢漬けにして保存。きのこは塩漬けや乾燥にして保存。ベリーは砂糖とともにさっと煮て、ジャムにして保存するのだという。

■ロシア人の暮らしの知恵(3)保存食を徹底的に使いまわす

 ダーチャで取れた野菜を塩漬けにして保存したら、ロシア人は、それを普段の料理に徹底的に使いまわす。たとえば、キャベツの塩漬けひとつでも、以下の5通りの食べ方があるのだという。

(1)そのまま漬物として食べる
(2)肉料理の付け合せにする
(3)ホットドックやサンドイッチの具にする
(4)コールスローサラダにする
(5)汁ごとスープや煮込み料理に加える

■ロシア人の暮らしの知恵(4)あるもので工夫する

 料理を学ぶために、ロシアの主婦の方の家を訪ねた荻野さん。そこで「あるもので工夫する」ロシア人の知恵に感心したそう。

 たとえば、お菓子を習いに行き、出来上がったケーキに粉砂糖を振ろうとしたら粉砂糖がきれていた。ロシアの主婦の方は、ミキサーに角砂糖2~3個かけてざーっとかけて粉砂糖にしたのだという。ロシア人はそうした順応性が高い人が多いのだそう。

 本の中では、荻野さんが料理を学んだトルコや中国や、モンゴル、イラン、インド、モロッコなどの暮らしの知恵や食文化についても触れられている。年末年始、海外旅行を予定している人は、参考になりそうだ。

●著者紹介
荻野恭子
東京・浅草生まれ。料理研究家。栄養士。父が飲食店を経営していたため、子どもの頃より食に興味を持つ。各種の料理学校で世界の料理を学ぶ。ロシアをはじめ、トルコ、中国、東南アジア、モロッコなど、これまでに訪ねた国は60カ国にもおよび、現地の主婦やレストランのシェフに料理を習い、食文化の研究を続けている。世界の料理教室「サロン・ド・キュイジーヌ」を主宰し、TVの料理番組や雑誌でも活躍中。料理学校の講師や講演なども手掛ける。