仕事でのイライラを放置しないで! 感情をコントロールできるようになるには…

ビジネス

2018/11/16

『マッキンゼーで学んだ感情コントロールの技術』(大嶋祥誉/青春出版社)

 私たちの行動は、そのときの感情に大きな影響を受ける。せっかくすばらしいビジネススキルを持っている人でも、日ごろの疲れが溜まってイライラしていたり、上司からの理不尽な要求に憤慨していたりしたら、その力を100%発揮することはむずかしいだろう。

 こうした負の感情は、自分ではコントロールできないものだと諦めてしまいがちだ。だが、本書『マッキンゼーで学んだ感情コントロールの技術』(大嶋祥誉/青春出版社)は、そうした負の感情を“解決すべき課題”に落とし込むことで、感情をコントロールできるようになると語る。どういうことなのだろうか。

■マッキンゼーで使われている“問題解決”のフレームワークがヒントに!

 本書の著者である大嶋祥誉氏は、外資系コンサルティング会社・マッキンゼーの出身。そのマッキンゼーで使われていた“問題解決”のフレームワークは、感情コントロールにも生かせるのだという。

 まず、1.真の問題を見極める。そして、2.問題の構造を把握し、3.仮説を立てて検証する。最後に、4.解決策を導き出す。これを、感情コントロールのスキルに置き換えると次のようになる。


感情コントロールのスキル
1.感情を意識化し、冷静に受け止める
2.感情が沸き起こった問題の構造を把握する
3.どうしたらその問題が解決されるのかを仮説を立てて検証する
4.解決策を導き出す

 たとえば、上司に企画書の出来の悪さを注意され、怒りが湧いてきたとする。それをそのまま放置してしまえば、他の仕事のパフォーマンスも落ちてしまうだろう。そこで、その怒りを冷静に受け止め(1)、なぜ怒りが湧いたのかを考えてみる。すると、上司からの評価を下げたくないという不安や、自分の努力を知ってほしいという承認欲求が背景にあり、それらが「怒り」という感情に転化されたのかもしれない…という風に、問題の構造が見えてくるはずだ(2)。

 そうしたら、「もしかすると、上司が成果だけでなく過程を評価してくれたら怒りは収まるのではないか?」といった仮説が立てられる(3)。それを元に、最後に有効な解決策を導き出せれば、次からは「怒り」を感じずにすむだろう(4)。この場合であれば、自分の企画書作成の過程を紙に箇条書きし、その作業のどこに問題があるのかを上司に相談してみる…ということがひとつの解決策になるかもしれない。この一連のプロセスが本書の根幹にある考え方である。

 本書では、感情をコントロールするための“小技”も豊富に紹介されている。ひとつは、嫌なことや不安なことがあったとき、それが“自分でコントロール可能なことか”を考えること。

 たとえば、やるべきことをやった後の仕事の成果やそれに対する上司の評価は、いくら悩んでも自分ではどうすることもできない。そこに悩むエネルギーを使うくらいなら、次の仕事のことを考えよう。他にも、おすすめの気分転換の方法や、突然激しい感情に襲われたときの対処法など、即効性のあるテクニックも多数掲載されている。イライラすることがあったとき、「今日はもう無理だ」とふて腐れる前に、本書をヒントにメンタルを整えてみよう。

文=中川 凌