「これならできる!」簡単でみばえよし、とっておきのおもてなし料理【人気料理家6人に聞きました(2)】

食・料理

2018/11/20

 街にイルミネーションが灯り始め、これから忘年会、クリスマス、お正月と、親しい友人たちと集まったり、家に招いたりすることがふえる時期。その際に欠かせないのがおいしい料理だが、自信を持ってお客さまに出せる料理が作れる、という人は少数派では? ごちそうを作る余裕がない、という人も多いことだろう。そこで、手間をかけずにおいしく作れるおもてなしメニューを教わったのが『料理家のとっておき もてなし上手の 人を呼べるレシピ』(KADOKAWA)だ。

『料理家のとっておき もてなし上手の 人を呼べるレシピ』(KADOKAWA)

 本書で、市瀬悦子さん、渡辺麻紀さん、平野由希子さん、ワタナベマキさん、坂田阿希子さん、本間節子さん(登場順)の6人に、気軽に料理でおもてなしをするコツについてお話を伺った。本記事では、書籍に掲載しきれなかった、参考になるお話を紹介しよう。

 市瀬悦子さんは、人を招いたときに自分がずっとキッチンに立っているのがいやなので、段取りを大事にしているという。メニューはオーブンを活用したり、煮込み料理を1品チョイス。下ごしらえをしておき、お客さまの顔を見てから加熱スタート。あとは、どちらもほうっておけるし、焼きたて、できたてを食べてもらえるというわけ。本の中では、忙しい人でも作れる時短アイディアを盛り込んだ、フライパンで作るかたまり肉メニューを紹介している。

 渡辺麻紀さんは、おもてなしの際は料理を大皿に盛っている。いつもの料理でも、大皿に盛るだけでごちそうらしいみばえになる。また、1人分ずつ小分けにすると、自分用に盛りつけられた分は必ず食べなければ、と思わせてしまうので、お客さまに食べたい料理を食べたい分量だけ食べてほしい、という心遣いでもある。布ではなく紙ナプキンを使うのも、お客さまに気をつかわせないため。おもてなしのときは器のとり合わせにも気を配りたいが、白、ベージュ、黒のようにグラデーションになる組み合わせがおすすめだという。本の中では、とり肉など身近な素材をごちそうにするレシピを提案している。

 平野由希子さんはソムリエの資格を持つ料理家。食材とワインの合わせ方は、本の中でも少し触れているが、ここではもう少し詳しく。一般にとり肉は白ワインとのほうが相性がよいといわれているが、地鶏など赤身の強いとり肉なら赤が合うという。また、トマトソースや赤ワイン、しょうゆとみりんなどで味つけすれば、同様に赤のほうが合う。色が近いほうのワインが合う、というのも一つの考え方。ほかの素材にしても一概にこちらに合う、とはいえないそう。この料理なら何を合わせよう、と考えるのも楽しみになりそうだ。本の中では、ワインに合わせたいおつまみおかずを紹介している。

 ワタナべマキさんが本の中で提案してくれているのがフライパン蒸し焼き。フライパンごと食卓に出すと盛り上がるのだそう。火にかける直前の状態まであらかじめ準備しておき、こんろにセット。お客さまが来てから火にかけて、できたてを食べてもらえるようにしている。生地から手作りするピザや肉まんも紹介しているが、ベーキングパウダーを使っているので発酵時間は必要なし、がうれしい。生地作りからお客さまに加わってもらうのも楽しそうだ。

 人を招くときと同様に、ちょっと緊張するのが料理の持ちよりパーティー。坂田阿希子さんからは持ちよりに向くレシピを教わった。坂田さんは、この料理にはこんな器、こんなサーバーがあるといいな、と思ったら、器なども合わせて持参することがあるそう。これは招くほうにとって、とてもうれしい心づかい。また、シンプルな野菜サラダでも、訪問先でオイルを熱々に熱してジュッとかけるだけで、できたて感が演出できるという。その場でかけるチーズとチーズおろしを持参したりもするそうだ。

 本間節子さんは、お菓子研究家らしく、スイーツづくしのおもてなしをしている。「桃とぶどうの会」では、9種類のぶどうを揃えて食べ比べを楽しみ、桃、ぶどうを使ったサンドイッチ、パフェ、ショートケーキなどを作ったのだそう。おもてなしの際、同じフルーツを数種類用意することなら、すぐにまねできそうだ。また、メニューを書いたカードやスケッチブックを準備して、おもてなしの場を演出しているという。本の中で紹介しているボウルで作るビッグプリンは、電子レンジで作れることもあり、友人たちからも「作ったよ」といわれた人気メニューだ。

 事前に下ごしらえをしておいて、タイミングよくお客さまに料理を出す、自分がずっとキッチンに立たなくてすむような料理を選ぶ、という2点は、料理家たちから共通して出てきた話だった。メニューを決めて段取りを考えるのは時間のあるときにしておいて、あとはその流れに沿って進めれば、当日はあわてることなく、おいしい料理を囲んできっと盛り上がれるはずだ。

※【人気料理家6人に聞きました(1)】で紹介した『料理家のとっておき、野菜好きの 野菜がおいしいおかず』も好評発売中。