スマホに人生のっとられていませんか? 大人女子のためのSNSとの付き合い方

暮らし

2018/11/23

『ハイヒールは、いらない レディ・レッスンseason2』(ケリー・ウィリアムズ・ブラウン:著、鹿田昌美:訳/大和書房)

 現代社会では“対面しない”人付き合いに疲れている人が多い。Twitterやインスタグラムで自分の近況を他人に伝えることが習慣化しているため、他人のリア充アピールを見ることに嫌気が差したり、自分の承認欲求を満たすことに躍起になったりして、SNS疲れに陥ってしまうこともあるだろう。

 特に女性は(私もそうだが)、他人に自分の近況や感情をこまめに伝えることでストレスを解消し、明日への活力を貰う傾向が強いので、それに巻き込まれてSNS上の人間関係に悩んでしまうこともあるのではないだろうか。

 そんな悩みを解消してくれるのが、大人レディになるためのメソッドがユーモラスな口調で綴られた『ハイヒールは、いらない レディ・レッスンseason2』(ケリー・ウィリアムズ・ブラウン:著、鹿田昌美:訳/大和書房)だ。リアルでもSNSでも使えるコミュニケーション術が盛り込まれた本書は、人と適切な距離を取りながら、自分を大切にする生き方を教えてくれる。

■大人だからこそ見直したい「良いマナー」って?

 画面の中の世界は、孤独感を解消してくれ、承認欲求も満たしてくれる。しかし、匿名性があるので自分でも気づかないうちに「醜い私」が現れ、トラブルが起こってしまうこともあるはず。そんな時には、自分も他人も幸せにできる「良いマナー」を守りながらSNSを利用できているかどうか、振り返ってみたい。

「良いマナー」とは、誰かに感心してもらうためではなく、人として身に付けておくべきマナーのこと。良いマナーを意識しながら人間関係を構築していくことができれば、たとえSNS上であっても相手との良好な関係を築くことができ、自分も疲れにくくなる。

 本稿では、大人女子が共感できるSNSの“あるある話”を含めながら、SNSを楽しく活用するためにはどんな「良いマナー」を身に付けていけばよいのか、ご紹介していこう。

■絶対に炎上しないSNSのルールなんてあるの?

 インターネットは、便利な魔法のようだ。いつでもどこでも他人の言動や思考が知れ、自分の近況や本音も手軽に発信することができる。そのため、インターネット機器はもはや、親友や家族、恋人よりも自分に近しい存在だといっても過言ではない。

 しかし、便利で近しい道具だからこそ、使い方を間違えると誰かの心を傷つけてしまったり、SNSが炎上してしまったりすることもある。避けるためには、発する言葉に自らが責任を取れるようになっていかなければならない。

 そこで著者は、炎上してしまうかも?と思うような投稿をする前には、「炎上チェックリスト」を用いて、文章や写真などを見直してみてほしいと語っている。

 人は画面越しにいる相手のことを軽視してしまいがちだ。本名で向き合う必要がないと、「醜い自分」が牙をむいてしまうことだってある。しかし、投稿ボタンを押す前に、なぜ自分はその投稿をしたいのか改めて考えることができたら、周囲の人にも幸せを配れるような自分でい続けられるのではないだろうか。

 人には感情があるからいつなんどきでも“素敵な人”でいるのは不可能かもしれないが、嫉妬や羨望を引き起こすような投稿をしているだけでは心が貧しくなり、自分のことも愛せなくなってしまう。「自分が何を言いたいか」よりも「この投稿は他人に読ませるに値するか」を考えながら情報を発信していくことは、現代女子が身に付けるべきマナーでもある。

■SNSあるある! 変な人を“優雅に”撃退したいときは?

 Twitterやインスタグラムのフォロワーがある程度増えてくると、どう付き合えばよいか分からないような変わった人とも関わらなければいけない。こうしたやっかいな人に見当違いな指摘をされると、ついムッとしてしまいがちだが、もしかしたら自分自身も同じことを相手に対して行っている可能性があるかもしれないことを忘れてはいけない。

 SNSを使用する上で抱え込みがちなこうした痛みや苦悩を、本書内では「大」「中」「小」に分類して、対処法を教えてくれる。

 例えば、あまり交流がない人からよくわからない理由で言いがかりをつけられたとき。その理不尽さに対してつい反論したくなってしまうかもしれないが、著者が勧めるのは、「言いがかりをつけられるのは自分のせいじゃない」ということを心に言い聞かせ、一呼吸置いてから返信をする方法だ。

 自分には相手の抱えている状況が一切分からない。でも、理不尽な非を押し付けてくる相手は、もしかしたら他のことで感じたストレスを八つ当たりしているだけかもしれないし、昔からそんな性格なのかもしれない。いずれにせよ、相手の問題はその人にしか解決できないため、根拠や理由がはっきりしない批判からは逃げてもよいのだ。本書内で伝授する対処法の数々は、SNS上のトラブルを平和的に解決してくれそうだ。

■「SNS疲れ」を抜け出して、素の自分を好きでいられるために

 トラブルとまではいかなくても、即レスを暗に求められる上に、永遠に続くのではないかと思ってしまうような継続したメッセージのやりとりにうんざりしている人も多いかもしれない。でも、あなたはうんざりしている一方で、自分がメッセージを送った相手から数日返信がなかったら、「もしかして嫌われた?」とそわそわ心配しながら過ごすこともあるはずだ。こんな状況について本書は、「メールの返事を45秒以内に受け取らなかったせいで死亡した人は皆無」とバッサリ答える。ネガティブな思考回路に陥ってしまわないために、インターネットは「道具」であるという割り切りも本書から学んでいこう。

 本書では、SNSからリアルに枠を広げて、同僚や上司からの言いがかりへの対処法や、理想にしがみつき過ぎないための処世術も記されている。予想していなかったトラブルに巻き込まれると、ついくじけたりカッとなったりしてしまいがちだが、そんな負荷のかかった状況でこそ、レディらしい品を持ちながら落ち着いて“優美な対応”ができる女性になっていきたいものだ。

“素の自分”に心地よさを感じ、他人を幸せな気分にさせられる処世術は、素敵な大人になるためには欠かせない。人も自分も不快にならないように人間関係を磨いていければ、「SNS疲れ」になってしまった自分もうまく変えていけるだろう。その答えは、本書で見つけることができるのだ。

文=古川諭香