「仕事が長続きしないイケメンと結婚するのはNG?」会社の偉い人の意外な答えは

ビジネス

2018/11/20

『とっても大きな会社のトップを務めた「相談役」の相談室』(上田準二/日経BP社)

「今の仕事は自分に合わない」「組織が上司の顔色ばかり見ている」「片思いの先輩に近づきたい」…などなど、私たちの日常はさまざまな悩みに満ちている。仕事、人間関係、家族や相続、はては恋愛までその範囲は広く、自分では解決できそうにないという悩みを抱えているという方もいるのではないだろうか。そんな方に手にとってもらいたいのが『とっても大きな会社のトップを務めた「相談役」の相談室』(上田準二/日経BP社)だ。

 著者の上田準二氏は、ユニー・ファミリーマートホールディングスの社長を務め、現在はその相談役。大学卒業後、伊藤忠商事に入社。畜産部で敏腕商社マンとして活躍したのち、プリマハムの取締役に就任、再建を果たす。一度伊藤忠商事に戻ったあとファミリーマートに移り、「万年3番手」に甘んじている社内の雰囲気を変える改革を実施、あの「ファミチキ」の生みの親でもあるなど、さまざまな場所でさまざまな経験を積み、そのそれぞれで成功を収めてきた経歴を持つ。

 そう聞くと「偉そうなオッサンが上から目線で自慢話をする本では…」と思ってしまいやすいが、そんな心配は無用だ。仕事や恋愛の悩みを解決する方法を、上田氏自身の経験を交えながら、ざっくばらんな口調で教えてくれる。ここでは、その一部を紹介していこう。

■職場がアホ過ぎる。会社に行きたくなくて憂鬱…

【Aさんのお悩み】
“私は現場目線で仕事を捉えることができない人間ばかりいる「とてもアホな部署」に所属しています。(中略)この職場で働いていても最悪の気分になるばかりです。毎日、会社にいきたくなくて憂鬱です”

 著者はこの悩みに、「本当に周りがアホばかりなら、絶好のチャンスと捉えよう」と答える。

 なぜ、とてもアホな部署にいることがチャンスなのだろうか?

 著者は、この相談者がいる部署の人全員が「自分を除いて全員アホ」と考えている可能性があると指摘したうえで、そんな状態の部署は「先を読む力」を発揮できないので、新たな商品や販路を生み出せないと分析。「アホ集団では、個人のチャンスを得られやすい」と紐解いている。そして、「今の部署で花を開かせれば、大きく目立つ。次のステップの役職や組織に移れると考えるべき」と回答している。

 さらに、チャンスをものにするための方法としては、「自分が動いて結果を出すことが大事だ」と提案。それを実現するためのヒントとして、会議前にはしっかりと準備し、根回しすることの重要性をあげている。自分がやりたい企画案について、同僚や上司にあらかじめ話をし、理解を得たり、不足点を指摘したりしてもらうことで、その企画の完成度も高くなるし、周囲の人々にとっては初めて聞く話ではなくなるので、賛成しやすくなるというのだ。

「とてもアホな部署にいるから、会社に行きたくない」という職場の悩みを、自分自身が成長するためのステップとしてとらえる考え方を、納得できる形で示してくれるのだ。

■ルックスは良いけど仕事が長続きしない彼氏と結婚していい?

【Bさんのお悩み】
“28歳の会社員です。仕事が長続きしない彼と別れるかどうかで迷っています。同年代の彼は、ルックスも良くて、優しくて、結婚したいのですが、仕事ができる男なのかが心配です。(中略)将来のことを考えると、安定した仕事を持つ別の男性を探した方がいいでしょうか。それとも、彼の考え方を変えさせるように、私が努力した方がいいのでしょうか”

 回答はずばり、「イケメンでもコミットなき男なら、今すぐ別れなさい」というもの。

 その理由は、相談者の彼氏はただ今の仕事が合わないという理由だけで「辞める、辞める」と言っているように思えるからだという。その言葉は「今やっていることをきっちりとやって、そのうえで自分の目指す道というのが別にあるから辞めるというのなら、僕も応援しますよ。ただ今の仕事が嫌だから辞めるというのは、どうも良くないね」と続く。このアドバイスの背景には、著者自身がかつて作家になるか、商売人になるかで悩み、結婚前に「僕は早晩、伊藤忠の上田じゃなくなるよ」と今の奥様に伝えていた経験が生かされている。

 そのうえで「結婚に大事なのはコミットメントです」と指摘。結婚を考えるときには、「この人と長い人生をともにできるのか」を考えるべきと伝え、お互いの人生にコミットできるのならよいが、もしできないのならばそれ以上付き合っては駄目だろうと指南する。

 仕事や人間関係、家族や恋愛など、人が悩むことなく生きていくことは不可能だ。なにかに悩まされてしまったとき、うじうじとその悩みを抱えて生きていくのではなく、その悩みを前向きな要素に置き換え、ポジティブに生きていくのとでは大きな違いが生まれる。そんな自分の人生を送るために、この1冊を役立ててもらいたい。

文=井上淳