営業現場で「壁」に悩むあなたに最強ノウハウを。 デジタルツールとアナログ営業の連動

ビジネス

2018/11/21

『成約のコード デジタルツールと営業現場を連動する最強ノウハウ』(クリス・スミス:著、神田昌典:監訳、齋藤慎子:訳/実業之日本社)

 現代社会を生きる私たちは、24時間365日、なんらかの“営業”をかけられているといっていい。テレビCMや飛び込み電話、訪問販売などの古典的なやり方に加えて、ネットサービスに挟まる広告や、ひっきりなしに送られてくるメール…。私たちはそのひとつひとつに数分…あるいはごく数秒間意識を向け、ほとんど直感的に「必要/不必要」を判断する。

 本稿で紹介する『成約のコード デジタルツールと営業現場を連動する最強ノウハウ』(クリス・スミス:著、神田昌典:監訳、齋藤慎子:訳/実業之日本社)によれば、ネット上で顧客の注意を引けるチャンスはたったの「8秒」。これは、営業する側からすれば、たいへん厳しい数字であろう。だが、本書で語られる“成約のコード”を用いれば、巷に溢れる大量の“営業”から、1歩…いや、2歩3歩抜け出せるはずだ。

■デジタルツールと、人間的な営業の連動

 これだけ日常の中にインターネットが普及していると、「これからはデジタルでモノを売る時代。電話や対面の営業活動は必要ないのでは?」と思ってしまいがちだ。実際、マーケティングオートメーション(MA)と呼ばれるシステムが発達し、獲得した見込み客を精査・育成できるようにはなった。だが、監訳者・神田昌典氏によれば、MAだけでは成約率はそれほど上がらず、またリーチできる顧客数も限られてしまうのだという。そのため、MAで獲得した見込み客にアポを取るための電話セールス(インサイドセールス)が見直されている。最新のシステムと泥臭い営業、このふたつをうまく連動させるべし…というのが本書の教えだ。

■成約数をアップするための3つのステップ

 本書は、営業の段階ごとに3部からなる構成になっているため、あなたや勤め先の会社が抱える問題に合わせて、該当箇所を参照してほしい。第1部は、「ネット見込み客を獲得する」。そもそも営業をかける相手が少ない…という状態ならば、この第1部から読むのがいいだろう。ここでは、サイトやランディングページ、ブログ記事を作成する際のポイントから始まり、SNSやインフルエンサーを活用したマーケティングまでを網羅している。

 第2部は、「質の高いアポをとる」。既に見込み客はいるものの、なかなかアポに結びつかない…という方はこちらから。新規見込み客を即アポにつなげる方法はもちろん、古い見込み客を効率よく有望アポに変える方法も紹介されている。

 そして第3部は、「成約数をアップする」。ここまでくれば、重要なのは“人”の力だ。セールス電話で主導権を握り、信用を得るためのテクニックや、商品の売りを語る際に外せない重要ポイント、そして、最終的な“成約”に至るまでの具体的なノウハウがすべて明らかにされている。

■あなたの営業が“成約”にたどり着くためのコード(暗号)

 表紙やタイトルから堅いイメージを抱くかもしれない本書だが、その内容は驚くほど実践的でわかりやすい。著者のクリス・スミス氏は、ここ10年で1万人の見込み客に電話をかけてきたという営業のプロ。本書には、氏が実際に現場で試行錯誤をしてきたからこそたどり着いた、まさに“コード(暗号)”と呼ぶべき秘蔵のノウハウがすべて詰まっている。

「とりあえず流行りのデジタルマーケティングを!」と飛びつく前に、本書でまずあなたの課題点を再確認してほしい。日本は“営業をかけること”のデジタル化においては、まだ決定的に遅れているという。日進月歩で新サービスが乱立するなかから、何を選び取るのが最適解となるだろうか。あなたが日本を舞台に問題解決するための“ヒント”を、ぜひ本書から得てほしい。

文=中川 凌