最愛の妹・麻央さんの死、芸能界引退、結婚…小林麻耶さんがやめた「がまん」とは

生き方

2018/11/25

『しなくていいがまん』(小林麻耶/サンマーク出版)

 小林麻耶さんは1979年新潟県生まれ。青山学院大学文学部卒業後、2003年にTBSアナウンサーになった。さまざまな活躍を経て2009年よりフリーに転向。多くのテレビ・ラジオ番組に出演。2018年8月結婚を機に所属事務所を退所、芸能界から引退した。

 フリー転身、体調不良、最愛の妹との別れ、結婚と、激動の時期を経た彼女が綴ったエッセイ『しなくていいがまん』(小林麻耶/サンマーク出版)が発売された。11月11日に発売された本書は売れ行き絶好調で、発売初日、2日目と重版が決まった。ネット上でも読者から「女性なら共感できる」「色々考えさせられた」といった声が続々上がっている。

「まわりの目を意識して、いつも人に合わせて、誰かを喜ばせようとして自分の心を押しつぶす“しなくていいがまん”をして、ここまで生きてきたのです」…本書の冒頭で彼女はこう語る。本書は、女性なら誰もが陥りがちな「しなくていいがまん」をやめる方法を、彼女の体験談とともに綴った1冊だ。

■「みんなに好かれたい」をやめる

 中学時代、「人が100人いれば、100人に自分を好きでいてほしかった」という思いで八方美人になっていた麻耶さん。多くの男子に告白されてモテモテだったが、女子からの妬みをおそれて「本当の自分」を隠すように過ごした。しかし、それは自分を殺すようなもの。たとえ皆に好かれたとしてもそれは「作り上げた自分」。それは「知らない誰か」が好かれているのと同じことであったと彼女は言う。

■「人の悪口を言わない」をやめる

「マイナスな言葉は言わないように、プラスな言葉に変えよう」という台詞は口にするのは簡単。けれど普通の人がそんな「いい人」になろうとするとストレスになるだろう。悪口を心の中にとどめていると嫌な気分が増幅するので、早めに口に出すのが吉だ。そこで彼女が実践しているのは、部屋に帰って思い切り叫ぶこと。悪口をデトックスするつもりで叫ぶと、心がスッキリするという(ただし、影で誰かとコソコソ言ったり、匿名でSNSに書くのは厳禁)。

■「来てもいない未来の心配」をやめる

 2017年6月に最愛の妹・麻央さんを亡くした麻耶さん。生前、麻央さんの容体が悪くなるにつれて、麻耶さんの疲労も重なり、自身はテレビ番組の生放送中に倒れてしまう。麻央さんの余命を宣告されている状態で、心が壊れそうになる麻耶さん。

 悩み続けたある時、こんな話をどこかで聞いたことを思い出す。「起きていない未来について不安になることが、一番のストレスだ」。みんな、自分がこの先もずっと生きていられる気がするから「いま」を我慢し、犠牲にしている。しかし、誰にとっても確かなのは「いま」だけだ。麻央さんが亡くなってからその考えは強くなったそう。

 しなくていい「がまん」をやめて、自分に素直になる。これが、自分の命を大切にすることに繋がるという。なんでもがんばりすぎていた自分、誰にでも好かれようと無理していた自分、倒れてから見つけた自分、結婚して世界を見つめ直した自分…本書は、そんな自分自身の姿を小林麻耶さんが振り返り、見つめて、言葉にした1冊である。

 麻耶さんはブログで本書についてこう語っている。「ほんのすこしでも、楽になれたり、肩の力がぬけたり、今、この瞬間を明るくすることが出来たらいいなと願っています」。本書が多くの悩める女性に届くことを願う。

文=ジョセート