子どもの自己肯定感を高める親子の会話とは? 教育改革で大注目の「非認知能力」

出産・子育て

2018/11/27

『「非認知能力」の育て方 心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育』(ボーク重子/小学館)

 2020年、日本の教育が大きく変わることをご存じだろうか。大学入試センター試験は廃止され、一部記述式の大学入学共通テストが始まるほか、学校教育の指針となる「学習指導要領」も数値評価に重点が置かれたものから、未来を生きるために必要な資質や能力を育むものへ、小・中・高と段階的に変更される。

 そこで、これからの教育法として注目されているのが『「非認知能力」の育て方 心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育』(ボーク重子/小学館)のテーマである「非認知能力」だ。

教科書を使った勉強で養われる能力ではなく、「くじけない心」や「想像する力」、「コミュニケーション力」、「問題を見つけ、解決する力」、「行動する力」、「やり抜く力」、「我慢する力」など、実際の生活の中でこそ身につけていける「生きる力」のことです。

 著者のボーク重子さんはこう語る。例えば、目の前にある課題を自分なりに考えながら解決策を導き出したり、ネガティブな出来事を前向きに受け止めたり、という人生のさまざまなシーンで必要となる実践的な能力。暗記学習だけでは決して学べないそのような力が「非認知能力」であり、逆にテストやIQなど数値で表せる能力は「認知能力」と呼ばれる。

 著者は1998年、すでに教育に「非認知能力」を取り入れていたアメリカで出産。当初は日本と大きく違う教育方針に驚いたが、娘の目覚ましい成長に触れるたびに、その教育法に感銘を受けるとともに「子育てが苦手」だった自分にも変化を感じた。そして2017年、愛娘スカイさんは「全米最優秀女子高生」コンテストで見事優勝。本書では、著者のリアルな子育て記録を通して、家庭内でできる「非認知能力」の育て方を紹介している。

 例えば、親子間の対話ではイエス・ノーで答えられない質問を織り交ぜると、子どもが自分で考える癖がつく。もし、子どもが問題を抱えていれば、「どんな方法があると思う?」「自分だったら、どうすると思う?」というような投げかけをするとよい。子どもからの返答には、内容問わずまずは「なるほどね」と一旦認めてあげることも大切なのだそう。

「非認知能力」を鍛えて、「心が強い子」になれば、自分を信じて挑戦できるようになります。

 ありのままの自分の価値を認めることができる「自己肯定感」も、「非認知能力」に含まれる資質であり、どんなことでも自信を持って前向きに取り組む原動力になる。日本人は世界でもダントツに「自己肯定感」が低いそうだが、社会に出れば頭の良さよりもメンタルの強さを求められる場面が多々ある。子どもには「自己肯定感」を高めて欲しい、と願う親は多いのではないだろうか。

 自己肯定感を育む方法のひとつとして、本書では「子どもに決断させる」ことが紹介されている。その日に着る洋服など些細なことでよい。自分で選ぶことで自信や想像力、好奇心なども育つ。小学校に上がるまでは、選択肢を3つほど用意してあげるのがよいとのこと。

 本書によれば、「非認知能力」が最も伸びるのは0~10歳頃までだという。新しい学校教育に合わせるというよりは、子どもがポジティブにのびのびと人生を歩めるように、親として知識を備えておきたいものだ。

文=吉田裕美