【著作権トラブル対策マニュアル】あなたの創作物を守るための基礎知識

ビジネス

2018/11/30

『著作権トラブル解決のバイブル! クリエイターのための権利の本』(大串肇、北村崇ほか/ボーンデジタル)

 近年、誰もがネットを介して創作活動を行い、自由に作品を発表するようになりました。しかし、それに伴って起こるトラブルが年々増加しています。SNSに載せた写真やイラストを無断で使われたり、ブログに書いた文章を無断転載されたり、正当な報酬が支払われなかったりという話をよく耳にします。自分の権利が侵害されたとき、私たちはどう対処すればよいのでしょうか。

 WEBデザイナーやイラストレーターなど、ネット上で活動するクリエイターの皆さんに読んでほしいのが、『著作権トラブル解決のバイブル! クリエイターのための権利の本』(大串肇、北村崇ほか/ボーンデジタル)です。

 出版直後から一躍話題に、わずか1ヶ月でたちまち重版。10月末には記念イベントまで開催されたクリエイターのための法律本です。

 東京スカイツリーなどの施設の写真は許可が必要なのか、フリー素材は自由に使っていいのか、本の表紙や新聞の紙面を撮影して掲載していいのか、ウェブサイトに掲載されているプログラムコードはコピーしても大丈夫か、納品した成果物の著作権はクライアントのものになってしまうのかなど。

 写真、イラスト、デザイン、文章、プログラムなど、著作物にまつわる多岐にわたるトラブルの事例を挙げ、過去に起きた裁判の判例なども踏まえて解説しています。

 例えば、このダ・ヴィンチニュースの記事内でも、本の紹介として著作物を引用していますが、著作権を侵害してしまうことはないのでしょうか。

 本書によれば、著作権法32条1項で認められている「著作物の引用」を適用するには、「引用の5条件」を遵守することが重要と訴えています。

 引用の5条件
 (1)公表された著作物であること
 (2)引用であること(区別性と主従関係)
 (3)公正な慣行に合致し、引用の目的上正当な範囲内であること
 (4)出典を明示すること
 (5)引用部分を改変していないこと

 つまり、未発表の作品や個人宛ての手紙は引用してはいけません。どこからどこまでが引用なのかをカギカッコや斜体、網かけなどで区別し、引用部分はあくまで補足にとどめオリジナルの文章を主体とする。また適切な分量に収めなければなりません。出典の明示では、著者名、書名、出版社名、出版年などの明記があること。そして引用部分を勝手に改変したり、編集したりしてはいけないというのが引用と認められる条件になるといいます。

 肝心なのが、著作権侵害を発見した場合の対応です。どこに問い合わせればいいのか、いつ弁護士や専門家に相談すればいいのか、訴訟を起こすまでの手続きを解説しています。

 なにより忘れてはいけないのが、ネット上に創作物があふれるネット社会では、私たちに悪意はなくとも、うっかり著作権を侵害してしまうおそれがあるということ。

 いざ自分が訴えられたときにどう解決すればいいのか。著作権について知らないではすまされない時代にきているのかもしれません。

文=愛咲優詩