【あの料理を再現できる!】飯テロアニメ『異世界居酒屋「のぶ」』公式レシピ本

マンガ・アニメ

2018/12/5

『異世界居酒屋「のぶ」 公式レシピブック』(蝉川夏哉、養老乃瀧、ぐるなび/宝島社)

 前クールで飯テロアニメとしてアニメファンの心と胃袋を掴んだ異世界グルメ系アニメ『異世界居酒屋「のぶ」』。原作は無料小説投稿サイト「小説家になろう」で連載されている小説で、単行本化、漫画化もされている人気作だ。

 寂れてシャッター通りとなった商店街にある「のぶ」は、多くの日本人になじみ深いごくごく普通の居酒屋メニューを提供している居酒屋さん。しかしなぜか表の入り口がとある帝国の古都「アイテーリア」に繋がっており、店内は異世界からのお客さんで賑わっている。

 アイテーリアは日本に比べると文明が未発達で、新鮮な食材が手に入りづらい環境にある。美味しいものに飢えているアイテーリアの住人たちは、この街ではありえないほど美味しい食事とお酒、行き届いたサービス、そして従業員「しのぶちゃん」の笑顔によって、次々と「のぶ」の虜になっていく――。

 先日、そんな「のぶ」の人気メニューを再現できるレシピ本『異世界居酒屋「のぶ」 公式レシピブック』(蝉川夏哉、養老乃瀧、ぐるなび/宝島社)が登場した。料理とレシピを手掛けているのは、居酒屋「養老乃瀧」の料理長・中村貴範さん。作中に作り方の詳細は描かれていないが、作品のイメージから外れないよう、違和感が出ないよう描写やセリフ一つひとつから丁寧に読み解き、レシピを完成させたそう。アニメを楽しく視聴していたファンとしては、ぜひとも「のぶ」の味を味わってみたい…! そこで気になったものをいくつか作ってみた。

■「おでん」(P.8~P.11)

 1つめは、最初のエピソードとして思い出深い「おでん」。衛兵ハンスが同僚のニコラウスに誘われて「のぶ」を訪れ、出汁のふわっとした香りと味の染みた具に感動した一品だ。じゃがいも、大根、こんにゃくは先に下茹でし、じゃがいもと焼きちくわ以外の食材、水、出汁の素、白だし、みりん、醤油、塩を鍋に入れて30分煮る。焼きちくわ、じゃがいもを加えて弱火で5分ほど煮たら、あとは器に盛れば完成。好みでからしを添える。

 最初に下茹でしておくことで、食材が煮崩れず、雑味のない透き通った味に仕上がる。あつあつの関西風出汁が染みた具材は、体を芯から温めてくれる。じゃがいもを食べ飽きうんざりしていたハンスも、おでんのじゃがいもには思わず笑顔になった。

■「信之特製まかないチキン南蛮」(P.40~P.43)

 2つめは、しのぶちゃんが大好きな「信之特製まかないチキン南蛮」。作中でも、まかないとして提供され大喜びし、幸せそうにほおばるシーンが描かれている。食べやすく切った鶏もも肉に塩コショウで下味をつけ、卵、水、小麦粉で作った衣にくぐらせ、片栗粉をまぶして揚げる。醤油、酢、みりん、砂糖、おろし生姜、白ねぎで作った甘酢だれに絡め、器に盛ってタルタルソースをかければ完成。タルタルソースは、茹で卵、らっきょう、マヨネーズ、レモン汁、パセリ、塩コショウを混ぜ合わせて作る。

 甘酢を含んだ衣とジューシーな鶏肉、タルタルソースは、最強のコラボレーション。食べると、思わずしのぶちゃんの“あの表情”になってしまう。タルタルソースにらっきょうが入っているので、シャキシャキとした食感があるのも嬉しい。

■「しのぶちゃん特製ナポリタン」(P.92~P.95)

 最後は、「しのぶちゃん特製ナポリタン」。徴税請負人であるゲーアノートが税金を徴収しようと「のぶ」を訪れた際にタイショーが不在だったため、しのぶちゃんがタイショーの晩酌用ベーコンをこっそり拝借して作った。油を引いたフライパンで玉ねぎ、厚切りベーコン、ピーマンを炒め、茹でたスパゲッティー、トマトケチャップ、中濃ソースを加えて混ぜ合わせる。最後に風味づけにバターを加え、器に盛ったら完成。好みで粉チーズやタバスコをかけるとまた違った味わいが楽しめる。

 なじみ深いようで大人になると意外と食べないナポリタンだが、べったりと甘い味わいが懐かしさを感じさせてくれる。あの手この手で粗を探して多額の税金を徴収していたゲーアノートも、これを食べて幼いころの純粋な気持ちを思い出し、改心して店を出ていった。

 どれもメニュー自体はいたって普通だが、その中には作り手の工夫と技術、そして思いが込められている。きちんと正しく作れば、いつもの料理も見違えるほど美味しく昇華するのだ。現在『異世界居酒屋「のぶ」』のアニメは終了しているが、AmazonなどのWEBサービスでは今も視聴することができる。また、ほかにはどんな料理が、ストーリーが展開されていくのか、原作や漫画を読んでみるのもいいだろう。

調理・文=つきのんキッチン