「夫の顔が好きすぎてまだシテない…」お互い未経験、新婚夫婦の日常にニヤニヤが止まらない…!

マンガ

更新日:2018/12/10

『未熟なふたりでございますが』(カワハラ恋/講談社)

 一人でいても楽しいことはたくさんあったが、結婚して良かったとしみじみ感じることもある。

 一番は、外でどんなに辛いことがあっても、それほどへこまなくなったことだろうか。家に帰れば、話を聞いてくれて、味方でいてくれる人がいるという安心感……。この事実は、私を少しばかり強くしてくれたような気がするのだ。

 結婚も日常なので、ケンカはするし、予想の斜め上を行く苦労もあるのだが、二人で築き上げていく生活は、喜びも実に多く経験できると思っている。

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『未熟なふたりでございますが』(カワハラ恋/講談社)は、そんな結婚生活の素敵な面がふんだんに詰め込まれた新婚ラブコメである。

 登場するのは、アプリ開発で事業を始めたばかりの夫・佐伯育馬と、高校の養護教諭をする妻・澄花。

 二人は、幼い頃からの友人で、やっと結婚できたラブラブ真っ只中の新婚夫婦。お互いを思いやり、ケンカをすることもなく仲良く生活している。

 だが、ひとつ問題が。それは、最後の一線は越えないまま新婚生活に突入してしまったこと……!

 付き合っている時も最後までできず、新婚旅行でも失敗してしまった二人。お互いに「気持ちだけでなく体もつながりたい」という思いが強く、ひとつ屋根の下、イチャイチャ攻防戦が繰り広げられるのだが――!?

 本書で印象深かったことは、ポニーテールが似合う美人でクールな妻・澄花が、かなり魅力的な女性であることだ。

 夫の育馬は、ロマンチックな性格で、誘い方や部屋の間接照明にまでこだわるのだが、ムードなど特に気にしない澄花は、コンドームを並べて待つこともあれば、馬乗りになって襲いかかることもある。

 だが、彼女はとても格好良いのだ。オシャレなバーで待ち合わせた際、育馬は仕事の納品明けでボロボロな状態で駆けつける。その姿を見た周囲に「育馬は澄花ちゃんに合わないね 隣に座る人のことも考えたら?」と批判されてしまった。

 育馬はすっかり落ち込んでしまうのだが、澄花は帰り道で……。

「恥ずかしくない 育馬は今日仕事の納品明けだし 格好のこと気遣う余裕なかっただろ 日程を誤った私が悪い」

 そうハッキリ告げ、手を繋ぎ、背伸びしてキスをするのだ。「私が恥ずかしくないと言ったら恥ずかしくないんだよ」と宣言して、「つらい あーーもうすげえ好き!!」と夫に思わせてしまう澄花。最高にクールで見習いたい女性だった。

 ……実は二人が最後の一線を越えられない理由は、「澄花が育馬の顔を好きすぎて、メガネを外した顔が格好良すぎて見られないから」なのだが、あんなことやこんなことはすでに経験済みで、お互いを思う熱い気持ちは誰にも負けない二人。

「まあ気長に 夫婦だし」と、彼らのペースで仲を深めていく様子は、終始幸せにあふれていて、最愛の人がそばにいる結婚生活の素晴らしさを、改めて教えられた気がした。

 さて、次の巻ではどんなイチャイチャ攻防戦を見せてくれるのだろうか。ニヤニヤが止まらず、顔を真っ赤にしながら読んでしまう作品だ。ぜひ手に取ってピュアな幸せに浸ってほしい。

文=さゆ