今、食べているものが子どもの一生を左右する!? 「朝食はパンだけ」では集中力が半減!

出産・子育て

公開日:2018/12/7

今、食べたものが、子どもの一生を左右する!?


 子育てと仕事と家事で、自分自身がいっぱいいっぱい。買い物したり、調理したり、時間を捻出するだけでも大変。献立のワンパターン地獄から抜け出せない……。そんなお母さんは多いでしょう。

 状況はよくわかるのですが、一方で、「親が食べさせたもので、子どもの脳と体がつくられる」ことも、ゆるぎない事実です。「忙しいから」「仕方ないから」を理由に食事をないがしろにすると、子どもの将来にツケがくるかも!

「子どもの成長期に向き合えるのは今だけ! 食べたものが、将来の子どもの身長から、骨の強さ、やる気、体力、学力、生涯の健康、女子の場合は妊娠力まで、すべてに影響してきます。20年後に後悔しても成長期は戻りません!」と力説するのは、予防医療コンサルタントの細川モモさんと管理栄養士の宇野薫さん。

advertisement

 6万部を突破した『成功する子は食べ物が9割』(主婦の友社)では、超多忙な働く母でもある2人が、“最低限知っておくべき”子どもの栄養のこと、成長のために不足させてはいけない食材、忙しくてもできる工夫や簡単レシピなどを、栄養のことはよく知らないお母さん・お父さんにもわかりやすく、今日からすぐ実践できるように教えてくれます。

「朝食はパンだけ」では、集中力は半減する!


 たとえば、朝ごはん。寝ている間にエネルギー不足になった脳は、糖質が補給されないと低血糖になって、午前中の集中力がもたない……と、ここまでは知っていて、「朝ごはん抜きは論外」と思っている方もふえたと思います。

 しかしながら、その内容はどうでしょうか? 「菓子パンだけ」「おにぎりだけ」など、炭水化物だけでは、糖質の代謝が促されず、集中力を高めることはできません。

 スムージーなどで野菜や果物をとり入れている方もいるとはいえ、実は、不足しがちなのが「たんぱく質」。朝のたんぱく質は、エネルギー代謝を促し、体温を上げ、体の筋肉をつくり、貧血を予防するために、食べることは“絶対”です! しかも、たんぱく質を含む朝ごはんを食べることは知的生産性をアップさせ、学業成績が向上することも国内の研究で明らかになっています。

 子どもは鉄欠乏になりやすいのですが、朝は鉄の吸収が高い時間帯。鉄を含む手軽なたんぱく質としておすすめなのは、ツナ缶、卵、鮭など。また、ヨーグルトやチーズといった乳製品も、朝のラインナップに加えたいところです。本書では、「キッシュ風トースト」や「ツナ卵丼」など、手軽なレシピを紹介しています。

「みそ汁」は快便になる最良の薬!


 最近は、和食のよさ、みそ汁のスゴさが見直されています。和食というとめんどうなイメージがあるかもしれませんが、要は「みそ汁」を充実させるだけで、よいのです。

 みそ汁に使う「だし」には、必須アミノ酸が豊富に含まれ、うまみも栄養もたっぷりで、そのうえ太りません。そこに、野菜、海藻、きのこ、いも、豆腐など、不足しがちな食材を入れてしまえば、一気に食品数を稼いで、栄養素をふやすことができます。

「食材の種類が少ない人は、ビタミン・ミネラル、食物繊維が軒並み不足しています。1日に緑黄色野菜は5種類以上、淡色野菜は8種類以上食べて!」と宇野さん。

「野菜の下処理がめんどうなら、冷凍の里いも、かぼちゃ、ブロッコリーなどをみそ汁に入れるだけでもいいですよ」と細川さん。

 みそ汁は、食品数をふやしてもおいしく食べられる“うまみの包容力”があり、食物繊維をたっぷりとれるうえ、「みそ」そのものが体に有用な菌を含む発酵食品なので、腸内環境を自然にととのえることができます。日々の快便のために、みそ汁以上の薬はありません。

日持ちのする、“栄養プラスON食材”を常備しよう


 本書に紹介されている中で、「取り入れやすい」とお母さんたちから好評なのが、栄養価が高くて日持ちのする「買いおき食材」です。料理に手間がかけられなくても、ごはんにかつおぶしや桜えび、ちりめんじゃこをのっけるだけ、みそ汁にカットわかめや高野豆腐を入れるだけ、おやつにナッツやプルーンを食べるだけで、足りない栄養素をONしていけます。

 子どもの脳と体は、毎日、成長しているので、毎日、栄養素をとり入れる必要があります。「今日、ステーキを食べて鉄補給したから、あと1週間は大丈夫」というわけにはいきません。毎日コツコツ、親子でコツコツ、たとえ地味でも“栄養プラスON”は大事です。

「子どものため」が結果、親も健康になる

 食材数が少なくて、栄養不足になりがちなのは、子どもだけではなく、忙しい大人も同じです。出産を経たお母さんは貧血や、骨の弱っている方が多く、女性は閉経後に骨量の急低下によって、骨粗鬆症になるリスクが男性より3~4倍も高くなっています。

「食事を作るお母さんだって、まず元気じゃないと始まらない。子どものために元気なお母さん・お父さんでありたいなら、大人もしっかり食べて!」と細川さん。

 母親業はやることが多く、食事がつい適当になることはあるし、自己流になってしまうのは、みんな同じ。母親だって、がんばりすぎたら、体がもちません。

 本書では、それを承知のうえで、細川さんと宇野さんが、「それでも、できることはある!」 ことを語っています。忙しくても、食事を改善できるノウハウと工夫はあるのです。

 今からでも遅くない! お子さんもお母さんも「20年後に後悔しない食事」へ、シフトチェンジしませんか?