2024年に株価が大暴落して世界大恐慌に突入する!? 「トランプ暴落」のシナリオとは

社会

2018/12/12

『「トランプ暴落」前夜』(副島隆彦/祥伝社)

「2024年に株価が大暴落を起こして、世界は大恐慌に突入するだろう。その年に日本でも預金封鎖が断行される」

 リーマンショックから10年経った今、本書『「トランプ暴落」前夜』(副島隆彦/祥伝社)はさらに大きな経済波乱が近づいていることを予測する。著者の副島隆彦氏は過去の著作『預金封鎖』『恐慌前夜』にて金融・経済予測を的中させつづけている評論家だ。副島氏の本書における予測は大きく2点である。

・世界は金融危機に対応できなくなり、先進国の巨額な財政赤字を原因とする財政破綻が起きる
・その時期は2024年である

 著者は小国のことでしかなかった財政破綻が大国でも起き得ることと、その時期を本書で述べている。国が財政破綻するということは、政府が借金を返せなくなることで、政府の借金証書である国債やその国の通貨は大きく下がるか無価値になってしまう。政府が借金する理由は人気取りのための国民への過度なサービス提供や、軍備の拡張など、税収以上にお金を使うという、いわば背伸び経営のためである。最近財政破綻した国はアルゼンチン、ロシアなど。どこも通貨は大きく下がり、逆に物価が高騰する。国民にとっては貯金も年金も大きく毀損する事態に陥るのだ。

 本書に解説される米国発の財政崩壊のメカニズムは下記の通りだ。

・政府が掲げる経済成長目標は年率4%
・順調な成長路線に乗った米国経済が過熱しないよう短期国債の金利を上げていく
・一方で市場が決める長期国債の金利、いわゆる長期金利まで上がっていき政府はそれをコントロールできなくなる

 国債金利の上昇とは、借金証書の価値の下落のこと。つまり米国政府の借金証書、国債の価格が暴落する事態のことだ。著者はその理由に下記を挙げる。

・借金総額は7000兆円まで膨れ上がり危機的な状況
・リーマンショックへの金融機関救済資金に、政府が国債を発行し、中央銀行がこれを買うという歪んだお金の創出が行われたこと
・政府による金融機関の救済は、民間の毒を政府が喰ったことと同義

 米国だけでなく、欧州も日本もすでに巨額な財政赤字を抱えている。そしてそれぞれが国債の持ち合いをすることで国際金融をもたせているのだ。この大国間の持ち合いの構造がほころびを見せた時に大国の財政は崩壊し、同時に国際金融システムが崩壊するというのが著者のシナリオである。著者がその時期を2024年としたのは、米国のトランプ政権の任期の終了だ。欧州や日本なども同時期に政権交代が起き、この持ち合い構造が崩れるというのである。

 著者の描く崩壊後の世界は、鉱物資源やエネルギー源など実物価値に連動する仮想通貨を基にする新しい金融秩序だ。そして同時に世界覇権も米国から中国へ移るという。実物実体経済は政治交渉で決まるのではなく、モノの品質で決まるという原理原則に戻るからというのがその理由だ。著者は一般国民の危機への対応策は金の保有だという。本書のシナリオを理解し、防衛策を考えてみようではないか。

文=八田智明