鬱陶しい上司の自慢話をうまく遮るには? 仕事は嫌いじゃないけど人間関係が面倒という人へ

ビジネス

2018/12/12

『仕事は嫌いじゃないけど、人間関係がめんどくさい! 上司・同僚・部下を思い通りに操る心理術』(ロミオ・ロドリゲスJr./クロスメディア・パブリッシング)

 私たちの仕事に対する不満は、「仕事の内容」「給料などの条件」「職場の人間関係」の3つがほとんどだが、いちばんやっかいなのが人間関係である。せっかくいい会社、いい給料で働いていても、嫌な上司ひとりのせいで会社に向かうのが憂鬱になってしまう…。そんな誰もが直面しそうな人間関係の悩みに“メンタリズム”で立ち向かうコツを教えてくれるのが本書『仕事は嫌いじゃないけど、人間関係がめんどくさい! 上司・同僚・部下を思い通りに操る心理術』(ロミオ・ロドリゲスJr./クロスメディア・パブリッシング)だ。今、“メンタリズム”という言葉を聞いて「うさんくさい」と思った人もいるかもしれない。だが、本書で紹介されている“技”の数々は、実験によって効果が実証されている“心理術”だから、あなたの職場でもきっとすぐに使えるはずだ。

■上司のマウンティングを跳ね返す“再否定の話術”

 上司との飲み会でウンザリするのが年長者の「自慢話」や「過去の栄光話」だろう。「俺の時代にはもっと厳しく上司にしごかれてたもんだ」「あの年の営業では俺がトップだった」なんて話を聞かされても、部下としては「すごいですね~」と持ち上げつつ、内心では「早く帰りたい」と思うだけだろう。

 なぜ、上司はこうした“マウンティング”を繰り返すのだろうか。著者によれば、それは「本当は自信がない」「自分で自分を認めることができない」という感情の裏返しなのだという。そして、それをうまく利用することができれば、上司との立場を逆転できるそうだ。

 ポイントは、「自慢が自慢になってない」という状況を作り出すこと。例えば、「俺があの地区の1位だった」と自慢されたら、「すごいですね。全国1位も取ったことがあるんですか?」と返してみよう。すると、上司は「全国はまだ取れてないけど…」と勢いを削がれる形になり、無意識のうちに、あなたに対して「優位に立てない」という意識が刷り込まれるのだという。こうした状況に持ち込めば、もう上司は長々と自慢話をしなくなるだろう。

■部下をうまく動かすための“ピンポイント・ピグマリオン効果”

 反対に、上司の立場からすれば、部下の扱いが日々の悩みのタネになるケースもあるかもしれない。メーカー勤めをしている筆者の父も、家で酒を飲めばたいてい若手に対する愚痴を言っている。だが、人材不足が叫ばれる昨今、厳しく当たった部下が辞めてしまえば、上司としての評価にも影響が出る。思い通りに動いてくれない部下に対して「なんとかならないものか」と頭を抱えている人は多いはずだ。

 そんな人に知っておいてもらいたいのが“ピンポイント・ピグマリオン効果”である。まず、“ピグマリオン効果”とは、人は期待されればされるほどその期待に応えようとする…という現象。だが、「君はわが社の最高の人材だから、本当に期待しているよ!」なんて言うのでは、褒め方がアバウトなので部下の心には響かない。そこで、相手の能力を“ピンポイント”に褒め、それについて期待していることを示すのが、“ピンポイント・ピグマリオン効果”を利用したやり方だ。

 例えば、「計算能力と分析能力が高い」ことを褒めた上で、「企画書の数字やコスト分析に期待している」という旨を伝えれば、部下も「何が期待されているのか」がわかりやすく、すぐにやる気を出しやすい。

 本書では、それ以外にも「先輩」「社長」「同僚」…というように、相手との関係性に合わせた巧みな攻略法を紹介している。また、「上司からの夜のお誘いがあって困る」というような、女性の出くわす悩みにも対応しているので、気になる人はチェックしてみてほしい。あなたが“メンタリズム”を使いこなせるようになれば、職場へ向かう足取りは少し軽くなるはずだ。

文=中川 凌