「いい顔」になるにはどうすれば? 天才写真家の写真術に学ぶ生き方指南
更新日:2012/4/11
「顔がいちばんの裸」「すべては顔に出る」…顔をとり続けてきた天才写真家・アラーキーが酒を飲みながら「顔」について語った言葉の数々は、独特の迫力が満ちていて、なんだかドキドキしてしまう。
ファインダーごしに対象と向き合う一瞬の真剣勝負で、その人の本質まで透けてみえてしまうなんて、さすがプロというか、天才。なのだけれど、私たちが言葉にできないでいる微妙な感覚を、ズバリと言い切ってくれる感じが鮮やかで気持ちいい。なにより、それらはものすごく「真理」だ。
たとえば、愛し愛される人に囲まれていると、人は「いい顔」になる、というのはシンプルな当然だと思うし、「死」と隣り合わせだからこそ、顔にあらわれる「生」の迫力こそが「いい顔」をつくる、というのも至極納得。それって、「生」に対する絶対的な「肯定感」のようなものが、人を「いい顔」にしていくということだろうか?
当たり前だが写真には「撮る人」と「撮られる人」があるわけで、それらの真理の発見は究極にシンプルな関係性の体感がベースになっている。そこには「自分以外の他者」との密な対話が根底にあるわけで、今更さらながらアラーキーは身体ごとそこに真摯に取り組んでいるのだと驚く。そしてやっぱり、人が生きていく上では「誰か」がいることはとても大切なことなんだ、とあらたに実感。
やっぱり「いい顔」で生きていきたいものね! 「誰か」の存在を大事にしよう!
本文で触れたアラーキーの代表作も収録
目次より 女の顔には「愛」が大事。次章は男性編
目次より 「生」と「死」のはざまで「いい顔」はうまれるわけです
各章の扉には短いメッセージが
顔は「裸」…。たしかに