関ヶ原終結後――まだ、西軍と東軍の戦は終わっていなかった!
公開日:2012/4/6
突然ですが、皆さんは『真田十勇士』はご存知ですか? 霧隠才蔵、由利鎌之助――真田幸村に仕えた、10人の家臣のことを指します。彼らは架空の人物と言われていますが、歴史的な由来を持つ人物もいます。
さて、どうしていきなり『十勇士』について尋ねたかといいますと、今作はその中の1人でもある“彼”の成長を軸に描かれているからです。その名も「猿飛佐助」!
本編は1巻というのもあり、まだまだ物語も序盤。しかし、おもしろい! このひと言に尽きます。
話は佐助の成長を軸に進んでいきます。時代背景の説明等も欠かさず、さまざまな重要人物たちの登場。キャラクター(史実の人たちのことをキャラクターと称していいのかな?)の細かな描写に、忍(しのび)の戦闘シーン…この中に一度入り込んでしまうと、液晶画面をスライドさせる手が止まりませんでした。そして、気がつけば「つづく」の文字。「え、もう終わり!? つづく!?」
個人的に気に入っている話は2つ。
1つ目は、「第四章 陰謀の影」の1シーン。豊臣家存続の危機が迫っていることを語る清正。そんな彼に、佐助がとんでもないことを言います。「大殿(清正のこと)は江戸が嫌いなのでしょう。ならば徳川を倒せばいい」と。この台詞で佐助が大好きになりました(笑)。もう1つは、「第五章 大坂城外戦」。加藤家大坂下屋敷が何者かに襲撃されるのですが、その時の加藤清正が素敵でした。歳を取った清正ですが、自ら槍を取って敵を突き伏せていきます。その時のうれしそうなさまったらもう…! 可愛かった!!(笑)
『真田大戦記』は全10巻という大作ですが、1巻だけでも十分におもしろいです。続きがとても気になります。キャラクター描写も丁寧に書かれており、物語に惹きこまれます。
歴史、忍者、『真田十勇士』が好き、「大坂夏の陣」をもっと詳しく知りたいという方にオススメです。
目次。章の数(12章立て)だけを見ると、長いなー、と感じますが、すぐに読み終えることができます
「石田三成と加藤清正が手を組んでいれば」という文字、みなさんはどう思いましたか? 私は…歴史が変わっていたのでは、と思いました
本編前にある登場人物。内容を知らない人にも人物名がわかりやすい。佐助よりも清正に目がいったのは内緒です(笑)
「序章 落武者」でのワンシーン。佐助の名前の由来がここでわかる