「時間がかかる息子にイライラする…」それ、“相性”の問題かも!? 石井ゆかりの相性論

暮らし

2018/12/29

『星の交差点』(石井ゆかり/イースト・プレス)

 野島伸司脚本ドラマ「ラブシャッフル」の中に、こんな台詞がある。「僕はこう思うんだ。もしかしたら、愛よりも相性のほうが大事なんじゃないかって。愛は移ろいやすい。それを留めておくためには、2人の相性のよさが必要なんだ。よく言う、価値観が同じとか、そういう頭でっかちなことじゃなくてね」。数々の恋愛ドラマの傑作を手掛けてきた野島氏が、「相性」をテーマにしたことに度肝を抜かれた。

 果たして「愛よりも相性」なのかどうかはさておき、わたしたちはさまざまなシーンで「相性」というものを気にする。人とうまくいかないとき、「相性が悪いのかもしれない」と思うし、好きな異性ができたらまず、「彼との相性はいいかな?」と占いをチェックする。そんな「相性」について、星占いの観点から考察した本『星の交差点』(石井ゆかり/イースト・プレス)を読むと、深い理解が得られる。

 相性が悪いケースには、さまざまなものが見られるという。根が深いもの、心の傷が絡んでいるもの、人が持っている固有の問題によるもの…。こうしたこじれは努力ではどうすることもできないところがある。しかし、そのほかに「お互いの違いを理解できていない」ことが原因で、「相性が悪い」状態が生まれているケースがある。もし相手の考え方や感じ方が自分とは違うのだとわかっていれば、相手のできそうもないことを期待して、腹を立てたりしないですむはずだと著者は言う。

 幼い息子を持った、ある母親の例を見てみよう。彼女は「この子はなにをするにも時間がかかり、幼稚園でも人についていくことができないので、つい叱ってしまう」という悩みを抱えていた。ホロスコープを見たところ、母親のホロスコープには「元気がよく、判断が速く、行動的で、少々せっかちで、人をまとめることが得意」という傾向が映し出されていた。一方、息子のホロスコープからは、「マイペースで、物事を深く掘り下げる性質で、感受性が強く、物事に一人でじっくり取り組む」という傾向が読み取れた。つまり、「相性が悪い」関係である。しかし、両者の「違い」を理解した母親は、「息子がゆっくりなのは、この子の個性なんだ」と発見し、悩みは解消されたというのである。

「相性」は、人の成長に合わせて変容していくという。たとえ、最初はそりが合わなかったとしても、お互いに理解を深め、違いを受け入れていった暁には、切っても切れない間柄となることもある。星占いで見えてくる相性とは、「良し悪し」ではなく、あくまでその人の性質と、相手の性質との「違い・一致」。大事なのは、「相性が良いか・悪いか」を知ることではなく、「大切な人がどんな人なのか」「自分はどんな人間なのか」をよく知ることだと著者は言う。それができれば、そこから「相性」は、自分たちの手で創り上げていけるのだと。

文=水野シンパシー