「普通の人でいいのに…」はNG!? 結婚相手が見つからないのは“ピント力”が足りないから!

暮らし

公開日:2018/12/30

『LIFE IS BEAUTY~美しく幸せに生きるための逆算思考』(藤原美智子/集英社)

 自分は、女性であることを楽しむ前に、女であることに慣れてしまってはいないだろうか。『LIFE IS BEAUTY~美しく幸せに生きるための逆算思考』(藤原美智子/集英社)に記された「女性という生き物になれてしまったときから人は“おばさん”になる」という言葉は、そんな問いを心に抱かせてくれる。

 雑誌『BAILA』で15年間続いた連載「LIFE IS BEAUTY」を加筆修正した本書は、30代の大人女子が抱えやすい恋愛や人間関係、仕事、お金の悩みに的確なアドバイスを与えてくれる。

 ライフスタイルデザイナー兼ヘア&メイクアップアーティストとして数々の女性誌で“大人のキレイ”を伝えてきた著者の藤原美智子氏いわく、大人でも子どもでもない30代という時期を生き抜くには10年後、20年後の理想像に合わせて今を生きる「逆算思考」が大切なのだそう。

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 世界情勢や経済、女性の立場、トレンドなどの変化が激しい現代は「人生100年時代」ともいわれている。そんな時代を美しく生き抜くには、今どんなことをしておくべきなのだろうか。

■女性に慣れると人はおばさんになる

 いつまでも美しくあり続けたいという想いは、どの女性の心にもある。しかし、結婚という安泰を手に入れると、“女性”という生き物に慣れ、自分でも意識しないうちにおばさん化してしまうことも少なくない。

 年齢を重ねていくと、若い頃とは違って人の目を気にしすぎることが少なくなる。おかげで、心の自由度が高くなり、自分らしく生きられるようにはなっていくが、同時に周りが見えなくなってしまう危険性もあるので注意が必要だ。

 例えば、年齢を言い訳にし、「身なりに妥協するようになる」「公共の場でも大声で話す」「電車の空席を目ざとく探す」といった行動をしてはいないだろうか。こんな風に心を野放しにした行動をとっていると、女性度は下がり、おばさん化していってしまうのだ。

いつまでも、女性として扱われたいなら、やはり“恥じらい”という繊細な感覚を忘れてはダメ

 そう語る藤原氏によれば、「気持ちがだんだん楽になってきた」と思い始めた頃が、おばさん化を予防する時期なのだそう。いつまでもひとりの女性として美しく生き抜いていくためにはまず、高い向上心で心のおばさん化を防いでいく必要があるのだ。

■結婚相手が見つからないたったひとつの理由とは?

「普通の人でいいのに、なかなか結婚相手が見つからない…」というモヤモヤを抱えている人にぜひ意識してほしいのが、藤原氏の結婚観だ。「結婚力はピント力」だと言い切る藤原氏は理想の結婚相手が見つからないのは、相手に望むものを絞り切れていないからだという。

 どんな人と結婚したいかと聞かれたとき、「年収はそれほど高くなくても、穏やかで優しい人がいい」と答えた経験がある方は多いだろう。だが、このように求める条件を並列しているのは焦点が合っておらず、自分が本当に結婚相手へ求めたいものが見えていない証拠なのだ。

自分が何を大事にしたいのか、何を追い求めているのかが、ちゃんとクリアになっていれば、求めるものはたった一つしかないはずだし、そういう相手に、自然とピントが合っていくはず。“ピント”は一点にしか合わないもの。三つを同時に合せようとしている限り、相手は見つからないと思うの

 この言葉は婚活や街コンにエネルギーを注ぎ続けている大人女子の心に深く染みるのではないだろうか。

 人間は誰しも完璧ではないため、100%理想通りの相手と出会える確率はおそらくゼロに近い。しかし、たったひとつの部分だけを愛し抜ければ、他の欠点がかわいく思えたり、短所として見えなくなったりすることだってある。

 私たちは完全無欠ではないからこそ、譲れないピントを明確にし、短所を補い合っていけるような相手を探していけばよい。そう思うことができれば、結婚への近道も見えてくるのではないだろうか。

 自分の人生観を見つめ直させてくれる本書には他にも「ピンチをチャンスに変える極意」や「心に不調をためないコツ」「自分のアップデートの仕方」など、悩みを明るく照らしてくれる思考術が全8章、記されている。人生は意外に短いからこそ、逆算思考で心に希望を灯してみてほしい。

文=古川諭香