目指すべきは「5分でリセットできる部屋」脱ワンオペを叶える片付けの極意

暮らし

公開日:2018/12/29

『タスカジseaさんの「リセット5分」の収納術』(sea/主婦と生活社)

 ここ数年で利用者・事業者ともに急増し、より一般的なものになりつつある家政婦・家事代行サービス。実は日常の家事だけでなく、“家事のコンサルティング”までやってくれるプロ家政婦さんがいるというのは、まだそこまで知られていないのではないでしょうか。

『タスカジseaさんの「リセット5分」の収納術』(主婦と生活社)の著者であるsea(シー)さんもその一人。15年以上にわたる家事代行の経験をもとに、子育て家庭向け模様替えサービスの立ち上げに関わるなど活動の幅を広げ、いま最も予約が取れない家政婦の一人として注目される方なのです。

 実際にseaさんのコンサルティングを体験した方の声を聞くと「夫が進んで家事をしてくれるようになった」「子どもが楽しそうに自ら片付けするようになった」など、その効果はただ“家が片付いた”というだけにとどまらない様子。

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 そこで本記事では「共働き夫婦のために、リバウンド知らずの収納術をまとめた」という本書の中から、どんな工夫をすれば家族が気持ちよく家事に協力してくれるようになるのか、そのテクニックの一部をご紹介したいと思います。

■“片付いた部屋”のあいまいなイメージは捨てるべし

 seaさんいわく、片付けがうまくいかない原因のひとつに、なんとなく思い描く「ちゃんと片付いた部屋」のイメージがあるのだとか。

 人は「片付いた部屋にしたいな~」と漠然と考えるとき、それこそチリひとつ落ちていない一流ホテルのような部屋や、ドラマのセットのような生活感のない部屋を思い描く場合が多く、そうなると理想と現実のギャップにストレスを感じてしまうようになるそう。

「自分自身で片付けのハードルを上げてしまうと家族にもその焦りやイライラが伝わり、家族全員が“片付け嫌い”になってしまいます」とseaさん。

 そこで、目指すべきは“5分でリセットできる部屋”。「5分で片付く」という確信が持てるような片付けのしくみ作りをしておけば、片付けへのハードルもグッと下がって、散らかること自体が気になりにくくなるのだとか。

 そのためには、「リモコンはカゴに放り込むだけ」「学校のプリントはひとまずケースに放り込むだけ」といったシンプルな収納ルールを採用するのもひとつの手。家族の誰もが頑張らずにできる“ゆるルール”にすることで、ストレスフリーな家事シェアが実現できるといいます。

■家族一人ひとりに、自分だけのプライベートスペースを作るべし

 パートナーの物、ついつい邪険に片付けていませんか? 「なんでヒゲ剃り用品だけで4種類もあるのよ!」と、自分の化粧品は棚に上げて、ついついギュッと押しやってしまったり…。でも、そうしたちょっとしたことの積み重ねがワンオペ家事の元になるとseaさんは言います。

「家に長くいる妻の使い勝手が、収納で優先されがちなのも仕方のないこと。ただ、夫にとって家が安らげない場所になると、家庭や家事に対する関心も低くなり、結果、妻の負担がさらに増えてしまうことにも…。回りくどいようですが、まずは夫が心地よく使えるような収納の工夫をすることが、家事シェアへの第一歩です」

 また、子どもについては、大人以上に“個人のテリトリー”を意識する必要があるのだとか。

「自分のスペースを持てていないと感じている子どもは、自分のものをどこに置いても大差ない、という感覚になってしまっていることがあります」とseaさん。

 自立心が芽生えてくる3~4歳頃になったら、小さくてもいいので子ども専用のスペースを作ってあげて、大人の都合で片付けたり、管理したりしないようにするといいそうです。

 ここまで読んで、収納を見直してみようかなと思った方。本書によると「一気にやらない」ことが重要だそうで、体力や気力を消耗しすぎないためにも、1日の作業は1か所と決めて、3時間以内に留めるのがオススメだそう。

 収納を見直す際の具体的なステップや参考になる実例は本書に詳しいので、ぜひ参考にしていただくとして、家族みんなが居心地のいい我が家の実現、ひいては、ワンオペ家事からの脱却をともに目指そうではありませんか!

文=八巻奈緒