「ネガティブ」は大切な感情! 自分を受け入れて、生きるのがラクになる方法

暮らし

2019/1/1

『生きるのがラクになる ネガティブとの付き合い方』(ワタナベ薫/マガジンハウス)

 みなさんは自分のネガティブな部分にどう対処しているだろうか。「ネガティブはなくさなくてもいいのです。ポジティブと同じくらい、いや、もっと大切な感情だからこそ、存在しているのです」――そう語るのは作家でブロガーのワタナベ薫氏。『生きるのがラクになる ネガティブとの付き合い方』(ワタナベ薫/マガジンハウス)では、ネガティブ思考とうまく付き合っていく方法が書かれている。

■認める、受け入れる

 たとえば誰かの成功にモヤモヤしてしまったとき。自分を見つめて「あ、うらやましいんだ。私、彼女の成功を喜んでいない。むしろ失敗したらいいとまで思っているんだ」と頭で理解すると、負の感情は小さくなり、いずれ消えていくという。

 さらに、ネガティブの裏に隠されているプラスを探すことが重要だ。たとえば夫に浮気されて怒りと悲しみにとりつかれたときに「なぜ怒りが出るのだろう?」と考えてみること。そうすると「夫を愛していて、私も愛されたかったんだ」という自分の気持ちに気づくことができる。

■吐き出す、ラクになる

 本心を隠し、無理して笑ってごまかすことは一時的に自分を守ることにはなる。しかしそれでは結果的にストレスが溜まってしまう。そんなときは気持ちを素直に吐き出すのが一番だ。「カタルシス効果」とは、精神分析用語で心の浄化作用を意味する。怒りや苦痛、イライラや不安はきちんと吐き出すことで安心や安堵感が得られる。

■向き合う、付き合う

 人の幸せを素直に喜べるときは、自分の心が満たされていて余裕があるとき。逆に、人の幸せが喜べないときは、自分自身を労わることができていないときだ。ネガティブで寛容になれないときは、「人に優しくなれない私なんてダメだ」と思うより、「いまは自分のことを大切にできていないんだな」という風に捉えよう。

■整理、整頓する

 著者は「ネガティブとは、複雑思考」「ポジティブとは、単純思考」と言う。ポジティブ思考の人々は「好きか、嫌いか」「行きたいか、行きたくないか」「やりたいか、やりたくないか」「欲しいか、欲しくないか」という選択肢で物事を考えているから、うじうじ悩まず幸せだ。

 しかし、自分のネガティブを排して完全にポジティブに塗り替えようとする必要はない。なぜなら、もともとネガティブの人のほうが、ポジティブを半分取り入れることでバランスの取れた人間になれるという。それは失敗から学び、その先の失敗を回避できるから。ポジティブだけで生きている人は、同じ失敗を繰り返してしまうデメリットがあるという。そのようにネガティブを「排除するもの」と捉えず、その役割を見つけることが大事である。

■楽しむ、成熟する

 嫌な経験をすることは、問題解決能力や知恵が身につき、人の痛みがわかるという収穫がある。ネガティブ思考は、人間の魅力を高めるのだ。どんな苦しみも、自分を成長させ、生きる実感を与えてくれる糧になる。そして自分の経験が誰かの助けにもなる。

 そのように、どんな経験も自分の血肉になると考え楽しんでいくことが、嫌な出来事やネガティブ思考を操る上での理想である。

 著者は「人生においては、ネガティブでもなくポジティブでもなく、その真ん中のニュートラルが一番ラクなのです」と語る。たしかにポジティブは良いこともたくさんあるが、そのぶん無意識に人を傷つけたり、まわりに迷惑をかけたりする。いままでのネガティブはそのままに、そこにポジティブを融合していくことでバランスが取れ、人間的な深みも増していく。自分の感情を無理に排除していこうとするのは、結果的に自分を追い込んでしまう。それよりも、自分の心を大切にして、生きやすい方法を見つけると、人生は豊かになっていくのではないだろうか。

文=ジョセート