ガラス細工のように美しい猛毒の蝶…キレイな見た目に騙されたら最後! 怖いいきもの図鑑

スポーツ・科学

2018/12/23

『世界のキレイでこわいいきもの』(新宅広二:監修/パイインターナショナル)

 世の中には、思わず息をのんでしまうような美しい姿をしたいきものが多く存在している。ただ、「バラにはトゲがある」というように、美しいいきものにも「とてもこわい」一面がある。

 普段は危険で近づけない、でも見た目はとても美しい…そんないきものたちの姿や生態を紹介する『世界のキレイでこわいいきもの』(新宅広二:監修/パイインターナショナル)が12月20日に発売された。

 本書は、大きなビジュアルが特徴であり、ページをめくるたびに見とれてしまうようないきものたちが次々に登場する。また、いきものたちの生態や暮らす環境についても詳しく解説されているので、豊富な知識をあわせて得ることができる。

 例えば、本書で紹介されているザトウムシという生物がいる(下記写真左)。一見すると、クモのようにも見えるが、実際は米粒ほどの大きさで、ダニに近い仲間である。今から4億年前に誕生し、現在では世界に4000種類もいるそうだ。はかない絹糸のように細くてきれいな脚を持っているが、実は虫を捕らえて食べる“小さな殺し屋”なのだ。

 また、ツマジロスカシマダラという蝶がいる(下記写真右)。この蝶は、ガラスのように美しい透明な羽をひらひらさせながら飛ぶ、珍しくて美麗ないきものだが、実は、食べた鳥が苦しそうに嘔吐してしまうほどの毒を持っているというこわい一面もある。

 メキシコドクトカゲは、有毒をアピールする黒とオレンジの“警告色”を身にまとったトカゲだ。ゆっくりと歩く姿は重厚で上品さすら感じさせるが、実は、奥歯に毒牙があり、“モンスター”と呼ばれている爬虫類である。ふだんは温和で人を襲うことはないそうだが、見かけたとしても近づかないのが身のためであろう。

 同じトカゲの一種であるコモドオオトカゲにもこわい一面がある。コモドオオトカゲは世界最大のトカゲであり、長い尾をしなやかに動かす姿には王者の風格が備わっている。しかし、唾液には弱い毒が含まれているそうだ。野生の牛が相手であれば、一噛みしてから毒が回って死ぬまで1カ月ほど待ってから食べ始めるというその性格も恐ろしく感じる。

 最後に紹介するのはカツオノエボシというクラゲだ。青をベースに美しい彩色をされたような浮袋からは、長い触手が伸びており、ゆらゆらと水に浮かぶ姿は思わず見入ってしまうほどきれいだ。しかし、彼らはデンキクラゲと呼ばれることもあり、触手で触れた獲物に毒針を打ち込んで捕えてしまう。さらに私たち人間にとって危険なのは、彼らは浜に打ち上げられて死んでいても毒針を打つのだ。あまりにきれいでうっかり触ってしまいそうだが、電気ショックのような打撃を受けないように気を付けなくてはいけない。

 本稿では5種類のいきものを紹介したが、本書では全部で約140種ものきれいでこわいいきものたちが美しい写真と丁寧な解説とともに紹介されている。

 本書を通して、日本ではなかなか出会えない、あるいは危険で触れられないいきものの姿を間近に観察し、ちょっとした冒険気分を味わってみてはどうだろうか。

文=島口大樹