留学は必要なし!? 『シャーロック』『SATC』…海外ドラマで英語の9割を身につける方法

映画

公開日:2018/12/23

『リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!』(南谷三世:著/池田書店)

 大学時代、アメリカ人の教授にこう言われた。「海外経験がないのに英語がペラペラの日本人に、どこで英語を勉強したのかと聞いたら『洋画を字幕なしで繰り返し観ているだけ』と言っていた。それ以来、私は学生に留学を勧めていない」。その後、留学をしてみて、なるほど、と思った。留学をしても、日本人同士で固まって、英語が上達しない人があまりにも多すぎる。であれば、日本で英語のDVDを観ているほうがよっぽどいい。海外で生活するだけでは、英語は身につかない。

『リアルな英語の9割は海外ドラマで学べる!』(南谷三世:著/池田書店)の著者も、海外経験がないという。しかしそれでも、英検1級、TOEICは990点(満点)を取得した。そんな著者が使った教材は、「海外ドラマ」。海外ドラマなら、自然な英会話をよく観察し、そこから使える表現を学ぶことができると考えたのだそうだ。

 本書に書かれている、海外ドラマを使った効果的な学習法を紹介しよう。

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【STEP 1】英語音声、字幕なし
 ネイティブが普通に見ているのと同じ状態で見て、どこまで英語を理解できるか「テスト」する。できる限り、話の内容を知らないまま見ることがポイント。

【STEP2】日本語音声、日本語字幕
 音声・字幕の両方ともに日本語にして、答え合わせをする。意味のわからない英語を何回も聞いたところで自然にわかるようにはならないので、必ず意味を確認する必要があるのだ。

【STEP3】英語音声、英語字幕
 字幕が出るたびに一時停止し、字幕を読む。STEP2でわかった日本語をヒントにして、英文を直訳・解釈・分析し、意味とニュアンスを理解する。「自分も使いたい」と思うセリフをデータベースに記録するとよりよい。

 本書では、『フレンズ』、『アリー my Love』、『セックス・アンド・ザ・シティ』、『シャーロック』など、多数の海外ドラマの中から、使える英語表現を紹介している。例えば、『セックス・アンド・ザ・シティ』で、キャリーが人とぶつかってバッグの中身を落としてしまい、通りがかった男性が拾うのを手伝ってくれるシーン。

キャリー:Thanks a lot.(どうもありがとう)
男性:Anytime.(いつでもどうぞ)

 Thank you. と言われると返答は、You’re welcome. とするのを教わるもの。だが、実際の会話では、Anytime. を使うことがある。本来、行きずりの人に使う表現ではないが、それだけに「今度また君に助けが必要なことがあれば、僕はまた助けてあげたいよ」というニュアンスが入るとのこと。まさに、教科書では学べない英語表現である。

 別のシーンで、キャリーは偶然出会った男性を見て素敵だと感じ、とっさにチェックして言ったのが次のセリフ。

He’s not wearing a wedding ring.(彼、結婚指輪してない)

「独身」と言うだけなら、He’s not married. や、He’s single. で事足りるが、実生活では「指輪をしていない」と表現する機会も多い。また、wearが洋服以外に「身につけている」こと全般を表すということも、ここから学ぶことができる。本書では、ブーツ、帽子、眼鏡、コンタクトレンズなど、例文とともに解説している。

 海外ドラマで、楽しく、効率的に英語学習。今日から始めてみてはいかがだろうか。

文=水野シンパシー