「簡単なものでいいから作ってよ」は禁句! 夫婦ゲンカが少なくなる返事の仕方って?

恋愛・結婚

公開日:2019/1/1

『妻と正しくケンカする方法』(小林美智子/大和書房)

 ケンカのない夫婦など、おそらくいない。互いに幸せな気持ちだけで過ごせるのはせいぜい新婚から数カ月くらいなもので、数年もすれば、互いの存在も当たり前になり衝突を繰り返しながら生活は続いていくものである。

 ただ、心がけておきたいのは「上手いケンカの仕方」だ。夫婦問題カウンセラーの小林美智子氏が綴った『妻と正しくケンカする方法』(大和書房)には、夫に向けた妻との平穏な過ごし方のヒントが詰まっている。

■LINEの連絡を忘れたら「今度からこうするよ」と具体案を提示

 突然の同僚との飲み会。ちょっとぐらいという気持ちで、ついついLINEの連絡を忘れてしまうというのもわりとありがちかもしれない。そんなとき、妻から怒られるのはまだましな方で、何度も繰り返せばやがてあきれられてしまう危険性もあるという。

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 そもそも夫からすれば“その日”にLINEを忘れたと思いがちだが、妻の中では過去の思い出が蘇っている状況でもある。前回のやり取り、前々回のやり取り、ひいては「どこかで待たされた」と記憶が芋づる式に掘り起こされ、怒りが何倍にも膨れ上がっているのだ。

 そんな場面で夫がするべきなのは、まず「わかったよ!」という言葉を返すなら責任を持つということ。そして、「今度からこうする」と具体案を提示して、小さくてもよいので約束を実行して信頼を回復するのが最善策である。

■自分へのご褒美が火種になったら本音を打ち明ける

 ボーナスが出たことで、自分へのご褒美にと高額なモノを買ってしまう。夫婦ゲンカの原因としてよく聞く話題でもあるが、このような状況に陥る原因には女性と男性の傾向の違いがあるという。

 女性はそもそも「なんでも相談しながら一緒に決めたい」という傾向がある。一方で、男性は「欲しいものは欲しいという思いが強くなると、ひとりで決めてしまう」という傾向があり、それぞれのすれ違いがケンカの火種になってしまうのである。

 もちろん事前に相談できればよいのだが、もし買ってしまった場合にもやはり話し合いが不可欠。ただ、そのやり方にも秘訣がある。まずは、妻は叱責するつもりはなく「夫の気持ちを知りたいだけ」というのを理解すること。そして、「今度から相談するよ」と突き放すのではなく、言いづらくても本音としてある理由を丁寧に伝えるのが望ましい。

■「簡単なものでいいから作ってよ」は禁句にするべき

 残業かと思いきや、思いのほか仕事が早く片付いた。ご飯を食べていくと伝えていたはずが、電話で「簡単なものでいいから作ってよ」とお願いして、妻の逆鱗にふれるという瞬間もありうる。

 突然、ご飯を作らなければならない妻の苦労はもちろん、この会話で一番の問題点は「簡単な」という部分。夫にとってはなにげない一言でも、妻からすれば「料理は簡単」「家事も簡単」というイメージが連想され、ひいては夫から自分のやっていること全てを軽視されているかのような印象を受けてしまうのだという。

 そのためもし、妻がお願いしたときにどうしてもやりたくなさそうなら、できる限り言葉を尊重してあげるのが大切。いさぎよくあきらめて「じゃあ、外で食べてくるよ」と、優しい言葉を返すのも効果的である。

 夫婦ゲンカは犬も食わないというほど、ありふれた日常の光景でもある。避けて通れないものではあるものの、いつも激しくいがみ合っていては互いのストレスも溜まったままだと思われるので、ほどよい距離感を保って夫婦生活を送ってもらいたいものだ。

文=カネコシュウヘイ