「あー、疲れた」の一言も要注意…妻の“地雷”を避けるための夫の処世術

恋愛・結婚

公開日:2019/1/3

『“妻の地雷”を踏まない本』(鶴田豊和/ぴあ)

 結婚から数年が経過しても、妻の気持ちがよく分からないときがある。新婚のときは互いに何をしてものほほんと許していた気もしつつ、ちょっとした言動でイライラを爆発させてしまったり、反対に、夫であるこちら側も瞬時にイライラがこみ上げてくる瞬間もある。

 どちらかが開き直れれば、円満に行くのだろうか。それとも、すれ違い続けるままなのか。答えなどどこにもない気もするが、妻との関係を上手くこなすためのヒントが詰め込まれた書籍『“妻の地雷”を踏まない本』(鶴田豊和/ぴあ)があった。本書は主に、男性向けに書かれた円満な夫婦生活のための指南書である。

■夫は家の中は「自分のテリトリー外」だと思っている

 すれ違う原因も色々。きっかけとなる一言も色々であるが、例えば、夫にしてはなにげなく「ハサミ、どこ?」と聞いただけで、妻の逆鱗にふれてしまう瞬間もあるのだ。

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 行動心理コンサルタントの著者によれば、理由の根本にあるのは「家の中のことに対する夫と妻の考え方」だという。もちろん家庭環境により違いはあるものの、傾向として男性は、仕事社会の価値観の中で生きているために「自分の仕事の範囲はどこからどこまでか」というテリトリー意識が強い。

 裏を返せば「家の中のことは自分のテリトリー外」だと思っているため、もちろん妻への信頼があってこそだが、どこか「家の中のことは自分の仕事ではない」という意識が働いているのだという。

 では、似たような状況でどうすればよいのか。著者は「子どもに聞く」という方法をすすめている。妻から「共に暮らしている家の中のことなのだから、少しは関わって欲しい」という反発を避けるなら“子はかすがい”という言葉を信じて、ワンクッション置いてみるというのが最善策である。

■なにげない一言で妻は過去の怒りを爆発させている

 仕事から帰ってきて「あー、疲れた」と一言つぶやいただけで、妻からの猛攻に出くわした経験もあるかもしれない。夫からすれば、一日の終わりにふとぼやいただけなのに「私だって大変だった!」と夫婦喧嘩にまで発展するような状況もあるだろう。

 そもそもなぜ、なにげない一言が妻の逆鱗にふれたのか。その背景として、著者は妻の中で怒りの「連鎖爆発」が起きている可能性を指摘している。

 夫の言葉を受けて「私だって大変」とひらめいた妻の中では、過去の記憶がどんどん呼び覚まされている。「あー、疲れた」と言った瞬間ではなく、「そういえば、私が病気だったときに何もしてくれなかった」など、負の思い出が次々と爆発しているというわけだ。

 こんなときに最も効果的なのは、ただただ「嵐が過ぎるのをじっと待つ」ということ。そもそもの傾向として男性は論理的に、女性は感情的に物事を考えるという話もある。怒りが込み上げているうちは、妻にとっては「単に感情を爆発させたかっただけ」だという可能性もあるため、まずは反論することなく妻の気持ちがスッキリするまで耐えてから話し合いをしてみよう。

■家族と一緒の場面ではスマホを手放す勇気も必要

 妻から何かをお願いされたとき、「分かった」と返しつつもずっとスマホから目を離さずにいる。当然ながら、妻にとっては“地雷”のポイントになるのだが、ここにもすれ違いの理由がひそんでいる。

 そもそもの傾向として男性は、ひとりで何かに黙々と向き合う瞬間に無意識でストレスを発散させているという。対して、女性は友だちとおしゃべりをしたり、買い物を楽しんだりと気持ちを外に向けてストレスの発散を図る。

 ボーッとしているように見えても、夫からすれば翌日からの仕事の段取りを考えていたりというのもわりとありがちかもしれないが、妻からみれば単にスマホをいじって手伝おうとしてくれない人。ひょっとすると、日頃の習慣が目に付いて「いつもやっていて、今もまたやっている夫」とみられている可能性もある。

 そんなときに得策なのは、いったんスマホを置いて妻の要望にまず応えるということ。また、家の中だけではなくカフェやファミレスへ行き、家の外でスマホをイジる時間を“こっそり持つ”というのも、ストレスの発散には役立つはずだ。

 夫婦生活を平穏無事にというのは、誰もが願っていることだろう。しかし、ふとしたときに怒りが爆発する瞬間もある。互いの存在を尊重しつつ、円満な暮らしを心がけたいものである。

文=カネコシュウヘイ