お墓の建て方。先祖の祀り方。あなたはしっかりと理解できていますか?

暮らし

公開日:2018/12/29

『新版 幸せになるための先祖の祀り方』(細木数子・細木かおり/飛鳥新社)

 年末年始ということで、実家に帰省される方も多いのではないでしょうか。お仏壇に向かって1年の感謝を伝える。お墓の掃除をする。そういった人もいらっしゃるでしょう。

 かくいう私も、ご先祖様のことは離れた実家に任せきり。考えてみると、罰当たりと言うか、恩知らずと言うか…。

 ご先祖様を大切にしなければ。そう悔い改めたのも束の間、今度は、「どう祀ればいいのか」がさっぱり分からない自分にびっくりしてしまいました。

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 そこで私が今後の人生における先祖供養の参考として活用した書籍、『新版 幸せになるための先祖の祀り方』(細木数子・細木かおり/飛鳥新社)を本稿ではご紹介したいと思います。

■先祖供養に宗派は無関係? ― 「人間として」大切にしたいもの

 お葬式、法要、お彼岸…。私たちが普段体験する先祖供養には、必ずお坊さんがついていますね。しかし、だからといってこれらを自分の属する宗派の行事だと認識するのは間違いだと著者はいいます。

 なぜかというと、そのような死者に関わる行事は、もともと特定の宗教のものではなく、人が文化的な生活を営んでいく上で欠かせない儀礼のひとつだからです。そのため本書は、特定の宗旨、宗派に任せきりにならず、あなた自身が正しい作法で先祖を祀るべきだと説いているのです。

古代中国の思想家・孔子は、人間が人間らしく生きていくには何よりもまず、先祖を供養することが必要であると考えました。そして、そのために子孫がなすべきこととしてことこまかに定めたのが、現代に伝わる作法なのです。(本書39頁)

■一人娘が嫁いだ場合、実家のお墓は誰が面倒みるの?

「自分は一人娘だけど、両親亡き後のお墓は誰が面倒みるのだろう」 ― 本書はそんな漠然とした疑問にも丁寧に答えています。

 上の疑問に対し著者は、結婚して実家から離れた(たとえ同居のかたちをとっていても)子どもは、あくまでその嫁ぎ先の一員であるといいます。つまり、実の親が亡くなったとしてもお墓を建てる資格はないのだとか。

そういう場合は、実家の両親が亡くなった時点で「永代供養」をします。「この家は私が最後になります」と、お寺に供養をお願いしてください。(本書157頁)

 本書は、「先祖を祀る」ことに対する考え方を詳細に解説し、その上で、現代人があまり知らない先祖供養のルールや作法も網羅しています。そして、細木数子さんの代名詞とも言える「六星占術」と先祖供養の関係性も見えてくる1冊です。

 死後のあり方が多様化してきた現代ですが、やはり正しい「先祖の祀り方」は心得ておきたいもの。せっかくの里帰りを実りあるものにするためにも、読んでおきたい1冊です。

文=K(稲)