映画『ボヘミアン・ラプソディ』と伝説のギャグ漫画『魁!!クロマティ高校』の意外な共通点

マンガ

公開日:2018/12/30

『魁!!クロマティ高校』(野中英次/講談社)

 2018年の大ヒット映画『ボヘミアン・ラプソディ』。同作は、伝説のロックバンド・Queenを描いた伝記映画です。圧巻のラストに世界中が熱狂しているとのことですが、同作の予告やQueenの過去映像を観るたび、ある漫画に登場する「彼」を思い出します。

 その漫画とは、2000年代に『週刊少年マガジン』で連載されていた『魁!!クロマティ高校』(野中英次/講談社)。同作を一度でも読んだことがある人なら、筆者の言っていることがわかるかもしれませんが、まずはざっくりと内容をご紹介します。

『魁!!クロマティ高校』の舞台は、日本一の悪(ワル)が集まる男子校・都立クロマティ高校。しかし、ワルが集まっているといっても、主人公が“クロ高のテッペン”を目指すわけでもなく、ケンカに明け暮れるわけでもありません。この作品は、クロ高に通う男子高校生たちの愉快すぎる毎日を描いたギャグ漫画です。同作の魅力は、なんといっても一度見たら忘れない強烈な登場人物たち。そして、筆者が冒頭で触れた「彼」も、そのひとりとして存在感を放っています。

 彼の名は「フレディ」。といっても、本名がわからないので、周囲から便宜上「フレディ」と呼ばれているに過ぎません。彼がフレディになった理由は、その風貌にあります。濃い胸毛を携え、ヒゲも濃く、鋭い目つきが醸し出す「ロック・ユー」な雰囲気…。そう、彼のヴィジュアルが、Queenのボーカル・フレディ・マーキュリーにそっくりなのです。

 もちろん、キャラクターのモデルが「フレディ・マーキュリー」なので似ているに決まっているのですが、クロ高のフレディはとてもミステリアス。本人はひと言も言葉を発さないので、血液型がB型で胸毛が濃いこと以外、本名、国籍、そもそも生徒かどうかも不明。それでもクロ高の1年3組に席があり、授業に参加したり、「黒龍号」という名の馬に乗って登校したりとやりたい放題の毎日を過ごしています。そのほかみなさんにお伝えできることといえば、2巻ではフレディの裸エプロンが拝めるとか、やっぱり歌がすごくうまいとか、フレディの魅力を紹介していくのが限界です。

『ボヘミアン・ラプソディ』を観て、クロ高のフレディを思い出した人はもちろん、まだフレディの魅力に触れたことがない、という人にもぜひ手に取ってもらいたい作品。また、先日からマンガアプリ「マガジンポケット」にて『魁!!クロマティ高校』のスピンオフ続編「クロマティ高校 職員室」(野中英次:ネーム原作、井野壱番:作画)の連載がはじまりました。

 続編ということは、フレディも登場してくれる? なんて淡い期待を持って『職員室』を読めば、おもしろさがさらに倍増するかも。

文=フクロウ太郎(清談社)