コミュ障で悩む人は「口元」を鍛えると“感じのいい人”に! 〈実践的トレーニング方法〉

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公開日:2019/1/5

『口元を鍛えたら 話していて“感じのいい人”になれました。』(春原弥生:著、新田祥子:監修/KADOKAWA)

 いつもにこやかで、だれからも好かれる人がいる。根暗なコミュ障のわたしは、そういう人に会う度に、うらやましいなあと思うと同時に、自己嫌悪に陥っていた。わたしはどうしてこうも、“感じの悪い人”なんだろうか…。『口元を鍛えたら 話していて“感じのいい人”になれました。』(春原弥生:著、新田祥子:監修/KADOKAWA)の主人公・さつきも、そんな悩みを抱えていた。

 話すことが苦手でプログラマーになったさつきは、スキルアップのためコミュニケーションも重要とされる会社に転職する。しかしある日、給湯室で、同僚たちが「あの子ちょっと苦手かも。感じ悪いんだよね」と噂しているのを聞いてしまう。ヤケ酒のために入ったバーのママ・ショーコに相談すると、ショーコは話し方の講師をしていることが発覚。その日からさつきは、ショーコからコミュニケーションのノウハウを学ぶことになった。

 人の印象は、見た目が80%。人は耳で聞いたことよりも、目で見たことで印象の80%を判断するという。つまり、見た目のトレーニングをすることで、話していて“感じのいい人”になれるというのだ。

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 まずさつきが教えてもらったのは、「口角を上げる方法」。口角が下がり気味の人は顔の筋肉が固くなってしまっているが、トレーニングで柔らかくできるという。ポイントは、鼻の横の一番高いところをUPさせることだ。

 口角が上がっていても、“目が怖い人”は印象がよくない。「目は心の窓」というが、目の中の視神経は脳内神経の80%とつながっており、思考や感情が目に出やすいという。そこでさつきは、「目の印象を柔らかくする方法」を実践することになった。

 表情を鍛えたさつきだが、上司に「もう少し大きい声で話してくれない? 話し方が暗い」と言われてしまう。「人の印象は見た目が80%」だが、残りの20%は聴覚・触覚・嗅覚(声・口調・匂いなど)だと、ショーコは言う。声は第二の人格なのだ。さつきは「声を大きくする方法」を学ぶことになった。

 その他、「リアクション美人になる方法」「人前であがらない自分になる方法」を学び、さつきは徐々に“感じのいい人”になっていく。入社から3カ月が経つ頃、同僚から「さつきさんみたいな人が来てくれて助かったわ」と言われるまでになった。そして同僚たちも実はコミュニケーションに自信がないということがわかり、さつきは思う。(みんなそれぞれ悩みながら会話をしているんだ)。ゆっくりでいい。この調子でいい。「あの人感じいいね」と言われるようなわたしになっていこう――。そう思えたさつきは、これからも少しずつ成長していくに違いない。

 本書はコミュニケーションを円滑にするための実践的なノウハウを学べるだけでなく、人間関係とはどうあるべきかという、一番大切なことも教えてくれる。コミュ障で悩んでいる人は、ぜひ手に取ってほしい1冊だ。

文=水野シンパシー