「絶対にバレない不倫」は一体どうなる!? アラフォー主婦が19歳の自分にタイムリープしたら…

アニメ・マンガ

2019/1/12

『もいちどあなたに』(ひうらさとる/集英社)

「もしもあの時、別の道を選んでいたら……」。突然だが、あなたはこんな妄想をしたことはないだろうか?

 残念ながら、歳を重ねてようやく見える真実はたくさんある。

 筆者は時折、過去を振り返っては、後悔や悶絶などを繰り返しているのだが、思い悩んでもどうすることもできないのが辛いところだ。

 しかし、これまでの経験やスキルを持ったまま、過去にタイムリープすることができたらどうだろう? 何だかちょっと、ワクワクしてこないだろうか……!?

『もいちどあなたに』(集英社)は、一見どこにでもいそうなアラフォーの主婦・ゆり子が、過去にタイムリープして、昔の恋ともう一度向き合うマンガだ。

 本書は、『ホタルノヒカリ』シリーズのひうらさとる最新作。テーマはなんと「絶対にバレない“不倫”」で、大人女性がこっそりニンマリできる展開が待ちうけている。

 主人公は、41歳の主婦・中条ゆり子。彼女はサラリーマンの夫と、2人の子供を持つ普通の主婦。しかし、「リリー」というペンネームで恋愛相談のコラムも書いており、アラサー女子からカリスマ的な人気を獲得していた。

 そんなある日、ゆり子は、夫がキャバクラの女の子と仲良くLINEをしているのを発見してしまう。

 怒った彼女は、朝からビールを飲み、漫画喫茶へとリフレッシュに向かう。そこで久々に手にしたのは、大学時代に所属していた映画研究会のイケメン、朝来先輩との思い出のマンガである『下弦の月』。彼女はマンガを読み、大学時代に恋をしたものの、関係が発展しなかった先輩のことを思い出し「もいちど 会えたら」と願いながら、眠ってしまう。

 目が覚めたら、そこにはなんと、大学生の朝来先輩がいて――!?

 ゆり子は、1999年の世界にタイムリープしてしまったのだ。また、中身は「アラフォー主婦」であるものの、外見はすっかり19歳の姿に戻っていた。

 彼女は、当時は自信やスキルの不足で堪能できなかった先輩との恋を、あざとい技も使い、ぐいぐい進めていく。先輩の気持ちやライバルの女子の気持ちも、アラフォーの自分ならば、手に取るようにわかる。

 そして、あっという間に、憧れていた先輩と関係を持ってしまうのだ……!

 タイムリープしたゆり子は「これは不倫なの…?」と悩む。夫や子供の世話に追われず、「恋」だけに没頭できる日常は、甘くきらびやかだが、家族のことを思い出すと心が痛む。そして、元いた時代に戻りたいと願うようになっていくのだ。

 結婚すると、安心感を手に入れる代わりに、胸をときめかせる恋とはすっかり無縁になる。時折「もしもあの時……」と妄想することはあるが、それはあくまで妄想止まりだ。

 そのため、その先が大胆に描かれている本書は、何となく後ろめたくて、真夜中に部屋の隅で、ニヤリとしながらこっそり読んでしまった。

 ゆり子は、昔の恋と一体どう決着を付けるのだろうか。周囲にはバレないのか、罪悪感に押しつぶされないのか、気になって仕方がない。

 大人女性の心に、ちょっとした波風を立てる一冊だ。ぜひあなたも「その先」を心密かに堪能し、自分だったら一体どうするか、思いをめぐらせてみてほしい。

文=さゆ