肩こりや腰痛を改善! 1日1分行うだけで健康と幸せを呼びこむ「ぷるトレ」

健康・美容

更新日:2019/1/31

『ぷるトレ』(高林孝光/飛鳥新社)

“病気や不調は体を温めれば改善する”ということは、健康に関心を持っている方にとっては常識だ。しかし、低体温や冷え症に悩んでいると、外側から体を温めることに限界を感じ、どう体温を上げればよいのか分からなくなる。そんな方に“体の中から熱を生み出す方法”を伝授してくれるのが『ぷるトレ』(高林孝光/飛鳥新社)だ。

 私たちの体にはエネルギッシュに活動するため、熱を生み出す「産熱機能」が備わっている。しかし、現代人は産熱機能が低下しており、体を単に温めるだけでは低体温や冷え症状が改善されにくい。

 そんなとき試してほしいのが、体を意図的に震わせることで内側からの熱を生む「ぷるトレ」だ。「ぷるトレ」は一瞬で体がポカポカになり、1日1分行うだけでよいため、忙しい方でも継続させやすい。本稿では、具体的なトレーニング法をいくつかご紹介しつつ、ぷるトレの魅力を伝えていこう。

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■発熱力の低下は筋力にある!

 日本では37度を超えると「発熱」と見なされる。しかし、37度での発熱認定は国際標準から見ると、実はとても低い。なぜなら、世界の国々では37度前後は平熱とされているからだ。現に、欧米諸国では平熱が37度前後であると、エネルギーの代謝やホルモン、酵素の生成などの体内活動が効率よく進み、人が最も快適に生命活動を行えるのだとも言われているのだ。

 にもかかわらず、近年、日本人の平熱は下がり続け、35度台前半の平熱で低体温や冷えに悩まされている方も増えてきている。特に、女性と高齢者は筋肉がきちんと使われていないため、発熱力が低下しやすくなっているという。

 筋肉はいわば、体の熱エネルギーを生み出している「工場」のような存在。女性はもともと男性よりも筋肉量が少なく、体を動かさずにいるうちに筋肉量が減ってしまう場合も多い。それは、加齢によって運動量が減る高齢者にも言えることだ。

 また、生活が便利になったおかげで体を動かさなくなると、本来使われるはずの筋肉があまり動かされなくなる。その結果、使われるべき筋肉が固まってしまい、産熱機能が低下する。こうなると、熱を生み出すはずの筋肉は冷えた筋肉に代わり、筋肉内の血流も滞ってしまう。

 では、こうした状況に陥ったときはどうやって筋肉量を回復させればいいのだろう。その問いの答えとなるのが「ふるえ」を利用したトレーニング「ぷるトレ」だ。

 筋肉量を増やそうと考えると、真っ先に筋トレを行おうとする人は多いだろう。しかし、「ぷるトレ」は筋トレよりも手軽に効率よく、体の中の使われていない筋肉を揺り起こし、産熱機能を回復してくれるという。そのため、女性や高齢者も負担を感じにくく、続けやすい。

 本書内には自分の筋肉がきちんと使われているかがわかる3つのチェックリストも収録されている。こちらを参考に現在の自分の状態を知り、「ぷるトレ」を行ってみてほしい。

■まずは「忍者ぷるぷる体操」からチャレンジ!

「ぷるトレ」を行うときは効率性や安全性を高めるため、5つのポイントを守っていこう。

(1)圧力によって筋肉が小刻みに震えてくる「ぷるぷるサイン」が出るまで行う
(2)トレーニング時は呼吸を止めない
(3)1日2~3種目を生活の一部にして、なるべく毎日行う
(4)1メニューで3分以上行うのはNG
(5)血圧の高い人や心臓病の人は医師と相談

 これらを踏まえた上で、最初に行ってみてほしいのが全7つある「ぷるトレ」の中で最もスタンダードな「忍者ぷるぷる体操」だ。やり方は至って簡単。両腕に力を入れながら、忍者が胸の前で呪文を唱えるときのポーズを作ってみよう。

忍者ぷるぷる体操

 このときは「ぷるぷるサイン」が感じられるまで数十秒から1~2分間、力を入れて押し続ける。より効果を高めたい場合は、2~5回繰りかえすのもよい。

 そして、「忍者ぷるぷる体操」が上手く行えるようになったら、次は「空気椅子ぷるぷる体操」にもチャレンジ。

空気椅子ぷるぷる体操

 こちらは必ず後ろに椅子やソファなどを置いた上で行うのがポイント。足を肩幅に開いたら、椅子やソファを背にして立ち、膝を曲げてゆっくり腰を落とす。

 この時、膝が足のつま先よりも前に出ないようにするのがコツ。腰をできるだけ落としたら、ポーズを30秒~1、2分キープ。太ももやふくらはぎに「ぷるぷるサイン」が出たら、椅子やソファへ腰を下ろそう。

「空気椅子ぷるぷる体操」のメリットは、下半身の深層部(触れない筋力)をトータル的に刺激できること。下半身の太い筋肉が目覚め、熱を生み出せるようになれば全身の発熱力も大きく向上し、健康的な体を作ることができるのだ。

 私たちが悩みがちな腰痛や肩こり、便秘、不眠、肌荒れといった症状には全て、体の冷えが関係するといわれている。不調が寄り付かない体を作るには、芯から冷え切っている体をポカポカにしていくことが大切。そう教えてくれる「ぷるトレ」は、“人生を満喫できる体”を作ってくれるだろう。

文=古川諭香