明日から「勘」で働け! もはや無視できない“右脳の力”でロジカルシンキングを超える

ビジネス

2019/1/27

『右脳思考』(内田和成/東洋経済新報社)

 社会人になると、なにかと数字への強さや論理立てる能力が求められる。特に客観性が伴うロジカルシンキングは、物事を効率的に進めるのに便利であるため重宝される。このロジカルシンキングは、左脳で行われるものだ。こういった背景から、左脳思考がビジネスで覇権を握ってきた。しかし、近年、にわかに「感情」を司る右脳思考が注目を集めている。

『右脳思考』(内田和成/東洋経済新報社)は、ビジネスにおいて、積極的に右脳思考を活用すべしと勧める1冊だ。本書は、左脳思考の有効性にも理解を示しつつ、右脳思考を効果的に使うことでビジネスが上手くいくと述べている。

ビジネスを行なっているのは人であり、そこには感情が存在する。行動経済学が教えてくれるように、人は理性で動くのではなく、感情で動くのである。

 人は感情で動く。例えば、ロジカルにプレゼンを行ったにもかかわらず、経営者や事業トップの反対で企画がボツになることがある。左脳思考型の従来の考え方では、とにかくロジカルにブラッシュアップして再提案し、結果は天に任せるのみだった。しかし、経営者や事業トップは感情で判断した可能性があることを理解すれば、再プレゼンで企画を通すことができるかもしれない、というのだ。

 本書によると、提案に反対されるパターンは、次の3つである。「」内は相手の反応、()内は真の理由だ。

(1)「ロジカルに反論される」(提案の完成度が低い)
(2)「とにかく反対される」(気に入らない)
(3)「ロジカルに反論される」(気に入らない)

 ここで厄介なのは、(1)の反応と(3)の反応は、提案者視点では表面的には同じであることだ。そして、この後の展開も変わってくる。(1)の場合、提案側はさらにロジカルに対応していくことで、ゴーサインが出る可能性がある。しかし、(3)の場合は、そもそも相手が感情的に拒否しているので、提案側がいくらロジカルに対応しても、企画は通らない。このとき、左脳思考ではなく右脳思考で対策を立てる方が有効なのだ。相手の感情を攻める、ということである。

 再提案をする場合、通常、左脳思考では、採択することによるメリットを訴求する。一方、右脳思考では、企画に対する熱意や責任感といった想いを伝え、相手の情に訴える、ということになる。

 これまでの常識であった「ロジカルシンキング>直感」の不等号を逆にし、「ロジカルシンキング<直感」という右脳思考重視で働くことで、他者との仕事の差別化に繋がるだろう、と本書は予見している。日本では今後、AIの活用でビジネスの淘汰が始まるかもしれない。AI時代を生き抜けるヒントを、本書で見つけてもらいたい。

文=ルートつつみ